カリフォルニア州で起きた10代の少女の負傷事件について、火災調査担当者は7月2日、京セラの米国法人Kyocera Wireless製の携帯電話「2325」による「手のひらサイズの出火」が原因だったと述べた。
カリフォルニア州オンタリオの消防署員、Frank Huddlestonは、1日の朝に起きた事故の原因は、携帯電話のバッテリーだと推測している。この携帯電話のバッテリーは購入当初から使われていたものだ。ただしHuddlestonは、正確な原因はまだ調査中だと強調している。
米消費者製品安全委員会(CPSC)の広報担当は、CPSCではこの事件を認識しているが、対応は検討中だと述べた。
この携帯電話を販売していたVerizon Wirelessの広報担当Brenda Boyd Raneyによると、同社ではカリフォルニア州の少女の家族に事情を聴き、状況を調査中だという。また同氏は「この種の報告に関しては、最大限の配慮やフォローをして対応するつもりだ」と付け加えた。
製造元のKyocera Wirelessは、現時点ではコメントに応じていない。
米国内で携帯電話が過熱したり爆発したりした事件は、今回が初めてではない。また、Kyocera Wirelessの携帯電話で機能不具合が報じられたのも、今回が初めてではない。これらの事件が重なった結果、ポケットやハンドバッグに入り、人の顔に接近することが多い携帯電話の安全性について懸念が高まっている。
バッテリーがぼやや負傷を引き起こしている可能性があるとする報告を受けてVerizon Wirelessは6月末、5万台分の携帯電話バッテリーを回収している。このバッテリーのなかには、偽物のバッテリーも含まれているという。CPSCによると、LG Mobile Phoneブランドの名で販売される「TM-510」のバッテリーは、充電オーバーを防ぐ回路構成を持っていないという。
2003年10月、Kyocera Wirelessは一時的にPhantomシリーズの「KE413」の出荷を停止した。ネブラスカ州オマハでCricket Wirelessが販売した同社製携帯電話が熱いガスを排出し、怪我はなかったものの消費者を驚かせた事件が起こったためで、同社はその後、単発的な問題だったとの結論に至り、1週間後に同モデルの販売を再開した。
CPSCは今年1月、初の携帯電話のバッテリー回収を発表した。回収の対象になったのは、香港のCoslight International Group製のバッテリー約4万個だった。同社製バッテリーは、過熱が報告されたKyoceraの端末全4モデルに搭載されており、欠陥が原因で危うく負傷しかけた人もいる。
先週の事故を目撃した人によると、16歳の少女が携帯電話をズボンの後ろポケットに入れていたところ、携帯電話がシューっという音を立てて膨張し、炎を出して燃え始め、煙を出したという。少女は第2級のやけどを負い、その地区にある病院で治療され、その後すぐに病院を出た。
Huddlestonは、火災発生当時、近くにストーブなど火の元になるものはなかったとし、独立記念日前の花火遊びの可能性も否定した。目撃者たちは、炎は携帯電話の下の方から出ていたと述べているが、ここはバッテリーの過熱が爆発につながらないよう防止する通気孔がある場所だ。Huddlestonによると、ウエハサイズだったはずのバッテリーは、「片側がもぎ取られたソーセージのようだった」という。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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