米消費者製品安全委員会は23日(米国時間)、初めて携帯電話のバッテリーのリコールを発表した。この結果、米国人1億5500万人の手やポケット、バッグの中にある携帯電話の安全性について、新たな懸念が持ち上がっている。
京セラの米国法人Kyocera Wirelessによる自主回収の対象となったのは、同社が昨年9月から12月の間に販売したスマートフォン「7135」モデル。同モデルは、オンライン販売のほか、Verizon Wirelessやアーカンソー州のAlltel、シカゴのUS Cellularの店舗でも販売された。この電話は、香港のCoslight International Groupが製造したバッテリーを使用しており、裏面のシリアルナンバーが「-05」で終わっている。
Kyocera Wirelessは23日、製品無料交換の手はずを整えるため、この携帯電話を購入した約4万人の顧客全員と連絡をとっているところだと述べた。
消費者製品安全委員会によると、このKyoceraの携帯電話がショートして過熱し、熱を放出して爆発を防ぐ内蔵安全装置が作動したケースが4件報告されたという。12月6日には、ペンシルバニア州フィラデルフィア在住の男性が、ポケットに入れていた携帯電話の予備のバッテリーが熱を放出し、この男性は足に第2級のやけどを負ったという。他の3件のケースでは、バッテリーがKyocera 7135に取り付けられてはいたが、熱放出時には近くに人はいなかった、とKyoceraは述べている。
「我々は、消費者がやけどを負う事故はいかなるものでも重大視している」と消費者製品安全委員会の広報担当、Scott Wolfsonは述べている。Wolfsonによると、同委員会が携帯電話のバッテリーのリコールを発表するのは今回が初めてという。
Kyoceraも予防措置として7135モデルの出荷を停止したが、別のメーカーのバッテリーに切り替えて「まもなく」販売再開すると、同社関係者は語った。またこの人物は、同社が今後はCoslight製品を採用しないと付け加えた。
携帯電話用バッテリーの過熱事故の報告は増加の傾向にある。携帯電話機が健康に及ぼす影響については、すでに発ガンの可能性に関する科学的な推測が出されているが、今回のリコールでまた1つ新たな懸念材料が加わったことになる。Kyoceraは昨年10月、ネブラスカ州オマハ在住のある家族から、同社のPhantomモデルの携帯電話が爆発したとの報告を受け、同製品シリーズの1つを出荷停止としていた。
また、Nokiaの携帯電話に関してバッテリーに欠陥があるとの報告が少なくとも3件出されているが、同社では、このうち2件は他社のバッテリーを使用したために起こった誤動作だとしており、残り1件については自社製のバッテリーが使われていたと述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」