DDIポケットの明日はどこにあるのか - (page 3)

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今後の生き残りに必要な方策とは

 では、PHS規格の生みの親、あるいはケータイ文化・ビジネス生態系を創出した国ならではの優位性を生かした、今後の需要を呼び込めるような新たなプロダクト/サービスラインとはどのようなものであろうか。

 生き残り策の方向性としては、必ずしも高速とは言い切れないものの常時接続が可能で経済効率も高い最大数百kbps程度のデータ通信を生かし、特定のアプリケーション領域に特化したサービスを創出して取り込むことが妥当ではないだろうか。マルチメディア系のストリーミングなどは論外として、ウェブのように比較的大きなトラフィックが瞬間的に生じるものよりは、ゆっくりちびちびとデータを常に流すことで成立するサービスが望ましい。たとえば身体情報を常にモニターして健康管理を行うサービスや、インスタントメッセンジャーやプッシュ・トゥ・トークをベースに位置情報や経済・企業・地域情報などをライフスタイルナビとして提供するサービスなどがあるだろう。営業マンやオペレーション担当者などにとっては非常に役立つのではないだろうか。

 いずれも受動型のPAN(Personal Area Network)的なサービスを非インテリジェントな端末で実現するという発想だ。PDAのようなローカルでの負荷をできる限り抑え、ネットワークでの処理を中心に行うことで端末価格と消費電力を低減することができるだろう。エンハンストリアリティ(強化現実)に対応したメガネ型のヘッドマウントディスプレイ(HMD)や、レンズマンやディック・トレイシーのような万能リストバンドディスプレイなどの端末が出てくると面白いかもしれない。毎回意識的なコミットメントが必要なネットサービスとは異なり、比較的受動型のメディアであり、かつ必要に応じて検索や通話も可能な仕組みとしてとらえる・・・。これまでの「電話」としての存在から脱却し、ひとひねりもふたひねりも加え、1度は競い負けた携帯電話の提供価値とはまったく異なるものを創出する必要があるのではないか。

 一種「キワモノ」的な発想とも捉えられるかもしれないが、既存の、あるいは3G/4Gといった高機能化する携帯電話と競合しない形でPHSを存続させるためには、これまでとおりのポジショニング戦略だけではいかんともしがたいものがあるのではないか。既存の優位性を基に、思い切り発想の領域を広げたところに初めてユニークな価値が見出せるはずだ。そうすれば、日本でも、そして中国やほかのアジア諸国、そしてPCS(Personal Communication Services)やツーウェイページャー(双方向ポケベル)などの事業が不調な米国や欧州ですら、サービス展開が可能なオプションが見えてくるはずだ。

 常識的な通信事業を超えた新たなる価値を切り拓くことこそが、PHS専業のリードプレーヤーとしてのDDIポケットが試みるべき方向性ではないだろうか。

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