マイクロソフト、米国で新しいMSN Searchを今夜発表へ

Stefanie Olsen(CNET News.com)2004年07月01日 14時06分

 マイクロソフトは米国時間7月1日、ウェブ検索分野での自立に向けて、最初の一歩を踏み出すと見られている。同社は、社内で開発した新しいウェブナビゲーションツールのテストバージョンを公開するほか、現行の検索エンジンにも変更を加える予定だ。

 新しいMSN Searchは、引き続きYahooから提供される技術のフロントエンドとしての役割を果たしていく。そのため、今回は外観の「お化粧直し」に留まるが、その結果見た目はGoogleのような感じになる。今回の変更が比較的小さなものであるという事実は、これまで誇大に宣伝されてきたMicrosoftの検索技術が、まだまだ発展途上であることを物語っている。Microsoftは、検索技術に対して1億ドルの開発資金を投入し、1年前から作業に着手している。

 新しいMSN Searchでは、明示されたスポンサー付き広告の数が減らされる。さらに、「軽量版」の検索ページを別に設けるが、これはシンプルさの点でGoogleさえしのぐものになるとMicrosoftは胸を張っている。同社はまた、Yahooとの距離を置く動きも見せており、Yahooのインデックスに登録される有料サービスを利用中の広告主へのサーチリンクを、MSN Searchから一旦削除する。これにより、検索結果の質が50%向上すると、同社は主張する。

 今回の目玉はやはり、MSNが自社開発したウェブクローラーや、独自のアルゴリズムに基づいた検索エンジンが、テストバージョンとして公開されることだ。このシステムは、同社会長のBill Gatesが示したスケジュールによれば、今年中に本格導入される予定で、それまでに各サイトのウェブマスターがこのシステムの仕組みを詳しく調べられるよう、テストを続けていくという。

 MSN Searchの責任者を務めるYusuf Mehdiは、6月30日に行われたインタビューのなかで、「われわれの取り組みを次世代の飛行機に例えると、今回リリースされる部分は、エンジンの中身に過ぎない」と述べた。

  Microsoftは、ウェブ検索分野でのGoogle、Yahooを相手にまわした競争で両社に先んじようとしているが、しかし依然として課題は山積み状態だ。市場調査会社の Comscore Networksによると、首位をゆくGoogleは全米でのネット検索のほぼ35%をさばいているという。これに対して、Yahooは30%、そしてMSNは15%だった。

 Microsoftにはさらに、実質的にYahooと同社の子会社Overtureから検索結果を借用しているというハンディキャップがある。これはつまり、消費者とネット上のコンテンツをつなぐ強力な橋渡し役として、ますます重要になっているバックエンドの技術に関して、Microsoftがいまだにスタートラインにも着いていない、ということだ。

 競合他社に追いつくために、Microsoftはどこかの企業の買収を検討しているかと尋ねられたMehdiは、そうした選択肢を排除はしないと述べたものの、買収先となる候補企業の具体的な名前を挙げることはなかった。同氏は以前のインタビューのなかで、Ask Jeevesによる自然言語によるクエリ開発の取り組みを指し、Microsoftではこの技術を改良して、まもなく登場させる検索サービスの重要なパーツとして使うことに興味があると述べたことがあった。

 Ask Jeeves社長のSteve Berkowitzは、同社の株主の利益にかなうものであれば買収提案も検討する用意があると示唆したが、ただしMicrosoftから何らかのオファーがあったかどうかについては具体的なコメントを避けた。

 検索分野では、Microsoftは確かに後発だが、それでも同社の存在を無視するわけにはいかない。Microsoftでは検索技術の開発が最優先事項となっており、今年中に独自のウェブクローラーを発表する計画もある。また、Googleはウェブユーザーにサービスを提供しながら、同時に広告主を集めることでビジネスが成立することを証明して見せたが、これについてMicrosoftでは、CEOのSteve Ballmerをはじめとする数多くの幹部が、大きなビジネスの機会を逃したと嘆いたこともあった。さらに、彼らは検索のあり方を変えるような大きな技術の進歩も約束していた。

 それに加えて、Microsoftは現在デスクトップ用の検索アプリケーションの機能強化に取り組んでいる。PCのOS市場を独占している同社としては、この分野を支配するのは難しいことではない。同社は過去1年にわたって、ウェブおよびデスクトップ検索の重要性を大いに触れ回り、両方の検索機能を統合した新しいOS「Longhorn」を繰りかえし売り込んできている。だが、このOSが市場に出るのは数年先のことだ。

 検索分野の専門家らは、Microsoftによる検索分野への取り組みとしては初めての目に見える証となることから、1日の新検索サービス発表を重要なできごとだと述べている。

 「長い目で見て、これは重要な1歩だ。ついにわれわれは、Microsoftの技術を自分の目で確かめ、実際に利用してみて、その実力を評価できるようになった」と、業界の観測筋で Searchenginewatch.comを運営するDanny Sullivanは述べている。

 ほんの小さな1歩にすぎないが、1日の発表が弾き金となり、検索業界の様子が大きく様変わりする可能性もある。もっともよく知られたところでは、最大手のGoogleが27億ドルの資金調達を目指した新規株式公開の準備を進めるなかで、新しい分野での競争圧力に直面するということがある。また、過去何年かにわたって検索をほとんど無視してきたYahooでも、積極的にGoogleのテリトリに狙いを定め始めている。同社は検索サービスを提供するInktomiとOvertureの2社を買収し、長年のパートナーであったGoogleと袂を分かち、さらにユーザーのロイヤルティーを引きだそうと、大々的なマーケティングおよび技術的なキャンペーンを始めた。そしていま、Microsoftがこの戦いに加わり、今後何カ月にもわたって消費者の心をつかむべく、他の2社としのぎをけずってゆくことになった。

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