Microsoftが、提携先の英国ネットワーク事業者から提供されるサービスと自社のMapPoint Location Server(MLS)を組み合わせることにより、携帯電話の位置情報をデベロッパに提供する予定だ。
提携により、デベロッパは、ユーザーの携帯電話位置情報を基にしたサービスやアプリケーションを以前より格段に容易に開発できるようになる。
英国に本社を置くZingoが、携帯電話の位置情報とタクシーに取り付けられたGPRSベースの位置特定システムをマッチさせる迎車サービスを立ち上げた当時、Zingoは各ネットワーク事業者と個別に交渉する必要があった。ZingoのマネージングディレクターMark Fawcettによると、当時、英国のデータ保護法の侵害になることを恐れたネットワーク事業者が位置情報の公開に慎重な態度を示したため、交渉にかなりの時間を費やした、という。
この提携は、アムステルダムで開催中のTechEdデベロッパーカンファレンスで現地時間29日に発表された。MicrosoftのMapPoint事業部マーケティングディレクターTom Baileyは、ネットワーク事業者のO2とも秋までには提携を結ぶ見込みであると明かした。
スウェーデンのTeliaSoneraとも7月に同様の提携が結ばれる見込みで、オランダのTeydoとの提携にもゴーサインが出ている、とBaileyは述べる。Teydoは英国のVodafone、O2、T-Mobile、Orangeを含むヨーロッパ中のネットワークから携帯電話位置情報を提供している。
Microsoftは料金体系をまだ発表していないが、MLSはMapPoint Web Serviceのライセンス契約を結んでいる顧客に提供される、と語っている。MapPoint Web Serviceには、2つのライセンスモデルがある。1つ目は、不特定多数のユーザーに利用されることを想定してトランザクション毎に課金するもの(ウェブベースの位置検索など)。2つ目が、特定ユーザーの利用を想定してユーザー毎に課金するもの(車両管理アプリケーションなど)である。
TechEdカンファレンスでは、Microsoft社員2人が携帯電話とPocketPCの格好に扮装し、撮影した写真を位置情報とともにBlogで公開するという簡単な利用例のデモを行った。カンファレンス会場のデベロッパたちは一様に感心した様子だったが、Blogに投稿された感想をみると、どうもコスチュームに関心をもった人の方が多かったようだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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