見直しに直面するスーパーコンピュータの評価方法 - (page 3)

Stephen Shankland(CNET News.com)2004年06月28日 10時00分

テスト内容に新たな広がり

 Linpackは、システムが複雑な代数計算を解くスピードを測るもので、プロセッサの性能は良く測れるが、スーパーコンピュータのそれ以外の要素はあまり評価できない。たとえばメモリやディスクストレージシステムなどとのデータ転送スピードなどは、このテストでは計測不可能だ。

 それにLinpackは「浮動小数点」演算の数学テストで連続する数の範囲を扱えるが、遺伝子配列処理などのタスクで使用される整数演算はテストできない。

 これに対しHPC Challenge Benchmarkセットには、メモリとプロセッサの間のデータ転送速度を計測するStreamテスト、スーパーコンピュータ内のプロセッサ同士の通信速度を測るPtransテスト、ネットワークのスピードとデータ容量を測るb_effテスト、行列(matrix)と呼ばれる数の配列同士を掛け合わせるDGEMMテストなどが含まれている。

 Dongarraによると、このベンチマークソフトウェアでは全てのテストが同時に実施されるので、メーカーは個々のテストを別々に行うことはできないという。しかしながら、テストはシステムの様々な側面を計測するものなので、7つのテスト結果を1つのスコアにまとめることには意味がない、とDongarraは付け加えた。

 ウェブサイトによると、7つのテストからなるセットのうち、実際に行われているのは5つのテストだけで、変更や追加も可能だという。

 一方、不完全な面はあるものの、上位500ランキングはなくなるわけではない。

 「(上位500ランキングは)明らかに地位を確立している。この1つの数値でマシンの評価を行うやり方には、多くの関心が寄せられている。この方法には太鼓判が押されているのだ」(Dongarra)

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画特集

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]