新たなテストに新たな支持者
一部の企業は、PC Challenge Benchmarkを熱烈に支持しているが、なかでもCrayは特に熱心だ。メモリ転送スピードを測るテストでは、CrayのX1システムのうち、5つがトップに立ったが、これは上位500ランキングでのあまりぱっとしない結果とは対照的だ
「顧客はいつも、自らの持つ特定のコードを実行したいと考えるようになる。このテストなら、様々な分野におけるシステムの性能を良く理解できる」とCrayのマーケティングマネージャーStephen Sugiyamaは述べている。「顧客は、各種システムについての特徴のなかから、自分たちにとって重要なものをいくつか選び出す作業に、かなりの労力を費やしている」(Sugiyama)
Sugiyamaは、Linpackを使った上位500ランキングについて、「非常に高性能なシステムの調査方法としてはよいものだが、システムをランク付けするのに用いられる際には、必ずしもすぐれた結果になるわけではない」と述べている。
Crayは長年、スーパーコンピュータを専門に扱ってきた。しかしIBMでは、Unixサーバや、小規模なLinuxコンピュータを高速ネットワークで接続したクラスタがかなりの成功を収めていることを受け、自社の汎用ビジネスサーバをスーパーコンピューティング市場に適応させようとしている。そしてIBMは、新しいテストに対してCrayよりも懐疑的な姿勢を見せている。
「Linpackがどういうものであり、どういうものでないかについては、皆が理解している。ところが、この新しいベンチマークテストについては、何が出来て何が出来ないのかを誰も把握していない」と、IBM「Deep Computing」チームのリーダーを務めるDave Turekは述べている。「ベンチマークが多ければ多いほど、性能が分かりやすくなると考えるのは危険だ。単により大きな混乱を招くだけの場合もある」(Turek)
テストの多くは非日常的で極端なコンピューティングの課題であり、こうしたテストが実際の顧客のタスクとうまく関連するのかどうかはまだはっきりしていない、とTurekは言う。IBMでは顧客に、システム購入前に自分の保有するソフトウェアを試用してみるよう勧めている。
さらにTurekは、このベンチマークは特定の政府部局の関心を反映するようゆがめられていると述べ、これらの政府部局が米中央情報局(CIA)や米国家安全保障局(NSA)、連邦捜査局(FBI)などの情報機関であることを匂わせた。
「(略称がアルファベット)3文字の政府部局は皆、何が重要なのかについて考え方が様々に異なっている。彼らは自分たちのニーズを満たすものを全て新テストのなかに詰め込んだのだ」(Turek)
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