America Online(AOL)が米国時間21日、主力商品である企業向けインスタントメッセージ(IM)ソフトウェアの提供を打ち切ることを明らかにした。いわゆる「企業向けIM」の分野は、実績あるアプリケーションベンダーの方が適しているとの判断に基づくという。
AOLが「AIM Enterprise Gateway」を打ち切るというニュースが流れる何日か前には、同社と接戦を繰り広げるライバルの1社Yahooが企業向けIMソフトウェアの提供を中止すると発表していた。AOLは、類似プログラムを提供・保守しているIMLogicに既存ユーザーを移管すると述べている。IMLogicは以前、AOLの企業向けIMの機能を設計・サポートしたベンダーだ。
AOLが企業向けIMから撤退するという今回の動きは、同社やライバル企業が、多くの従業員がすでに無償版を利用している状況下で、企業にIMソフトウェアの対価を払ってもらうことに成功しなかったという事実を強調するものとなる。企業向けIMツールは月額あるいは年額の料金を支払うことで利用でき、無料版では利用できないメッセージ記録、認証、ID管理などの機能が含まれる。AOL関係者は、「AIM Enterprise Gateway」の契約企業数やエンドユーザー数に関するコメントを控えている。
AOL関係者は、同製品ラインを打ち切りが妥当である理由として、企業IM向け市場の「発展」があると指摘した。また、職場で自分のアカウントにログオンする既存のエンドユーザーをターゲットとする戦略を維持すると述べた。AOLは、IMLogicなどのような企業と提携し、IMを通してビジネスツールを提供していくことも明らかにしている。
少なくとも、Forrester ReserchのアナリストCharles Golvinは、企業向けIMソフトウェアとサービス市場には大きな機会が残っていると信じている。だがGolvinは、AOLにはコンシューマ向けというイメージがあるため、企業に購入を説得するのが難しかったと述べる。Golvinは、IBMのLotusやMicrosoft、Oracleなどの方が、効果的に企業にIMを提供できる可能性が高いだろうと感じている。
「IMは存在感と供給力に尽きる。IMを運用するためには強固なネットワークが必要で、大手ベンダーはここを押さえている」とGolvin。「企業向けIMはおそらく、スタンドアロンよりも広範なコラボレーションソフトウェアパッケージの一部として提供される方が適しているだろう」(Golvin)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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