ソースネクストが新たな価格破壊に乗り出した。ソフトウェア業界に昨年大きな衝撃を与えた1980円のPCソフトシリーズを、今度は法人市場に投入する。複数ライセンスの場合、1ライセンスあたりの価格が1386円(1000ライセンス時、税抜)にまで下がる点が特徴だ。
ソースネクストが主力ソフトウェアの価格を1980円(税抜)に改定したのは2003年2月のこと。販売経路を書店やコンビニエンスストアにまで広げたことで、販売本数シェアで第1位に躍り出た。GfKの調査によれば、2004年6月上旬のソースネクストの販売本数シェアは23.6%で、シマンテックやトレンドマイクロを抜いて1位になっている。
PCソフト市場の内訳をみると、ソースネクストが今まで注力してきた個人向け市場は全体の15%にすぎない。法人市場規模は残りの85%にあたる6164億円となっており、ここに大きなビジネスチャンスがあると同社では見ている。「ソフトウェアを文具のように使ってほしい。法人市場と個人向け市場の両方に1980円ソフトを投入することで認知が広がり、ソフトの普及につながる」とソースネクスト代表取締役社長の松田憲幸氏は話す。
低価格化の鍵は年間ライセンスとメールサポート
法人向けソフトの最大の目玉は日本オラクルのJava統合開発環境Oracle JDeveloper 10gだ。JDeveloperはアプリケーションの設計・構築を行うための開発基盤で、従来は13万620円で販売されていた。今回、ソースネクストでは1年間のライセンスとし、サポートをメールサポートに限定することで1980円(税込)という価格を実現した。
ソースネクストの松田憲幸氏(左)と日本オラクルの新宅正明氏 |
日本オラクル代表取締役社長 最高経営責任者 兼 パートナービジネス統括本部長の新宅正明氏は今回の新製品について、「1980円という低価格で販売することで、Java開発者を増やしたい」と期待を寄せる。「このような低価格での販売はOracleでも今までなかったこと。日本オラクルが世界に先駆けて行う」(新宅氏)としたうえで、順次アジア諸国にも広げていきたいとした。
法人向けソフトの製品ラインアップとしては、Oracle JDeveloper 10g 1Year Limitedのほか、PDF作成ソフトの「いきなりPDF」、統合オフィスツールの「Lotus SuperOffice」など23ジャンル50タイトル。今後は100タイトルにまで拡大する。
また、6月4日以降の新製品ソフトは個人・法人向けともに税込みで1980円にすることも明らかにされた。従来は税抜きで1980円だったため、税を入れると2079円になっていた。「お客様に割高感を与えてしまった」(松田氏)。現在すでに発売されている製品の価格は変わらないが、バージョンアップ時には税込みで1980円にする。2004年度中にはほぼすべての製品が新価格に移行する見込みという。
販売は代理店や家電量販店のほか、コールセンターやオンラインなどでも行う。販売目標額は法人向けだけで初年度10億円、2009年度には200億円の売上を目指すとしている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」