米下院の金融サービス委員会は15日(米国時間)、米国企業は従業員に与えるストックオプションを経費として計上する必要はない、とする法案を可決した。
財務会計基準委員会(FASB)は先ごろ、各企業が従業員に与えるストックオプションのコストを、来年度から経費として損益計算書に計上するよう義務付ける提案を行っていた。しかし今回、下院の金融サービス委員会が採決を行った結果、45対13で連邦証券当局にこのFASB案を承認させないことになった。
従業員が株式を換金すると、既存の株式の価値が減少し、1株の価値もごくわずかだが下落する。現行のFASBルールでは、企業は従業員に授与したストックオプションを脚注に明記することが義務付けられている。しかしFASBの新しい案では、企業は授与したストックオプションを経費として計上しなくてはならなくなる。つまり、企業は株主に対して利益が減少したことを報告しなくてはならなくなることから、新たに従業員に授与されるストックオプションの数は減少すると見られている。
IT企業およびベンチャーキャピタルの各業界団体は、これらの改定を阻止するために下院の法案を支持してきた。現行のままでも、投資家は企業の従業員がストックオプションを行使した場合の財務的影響を計算するのに十分な情報を入手できる、というのが彼らの言い分だ。さらに各業界団体は、ストックオプションはビジネスの重要な要素であり、抑制すべきでないと付け加えた。
企業に(ストックオプションのコストを)強制的に経費計上させるべきだとし、下院の法案に反対している人々は、現行の会計制度は故意に歪められた制度だと主張している。伝説的な投資家、Warren Buffetもその1人で、同氏はNew York Timesの特集記事の中で、「ほぼ全てのCEOが恥ずかし気もなく、株主に対しストックオプションにコストはかからないと言い続けてきた。企業が従業員の役務の見返りとして価値あるものを与えれば、それは明らかに報酬という経費にあたる」と述べていた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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