Intelが議案の否決に向けて精力的な運動を展開したにも関わらず、同社株主の54%がストックオプションを費用として計上することに賛成票を投じた。
米国時間19日に同社の株主総会で発表されたこの決議に拘束力はない。しかし、広報担当Chuck Mulloyは、同社が今回の決議を考慮に入れながら費用計上について検討していく予定であることを明らかにした。Intelが自社のストックオプションポリシーを調整する必要があると判断した場合は、費用計上に関する米国内の基準が確定してから調整作業に入る。米国議会では費用計上についてさまざまな提案がなされ、現在も議論が続いている。
Intelはこれまで、ストックオプションをめぐる論争のなかで最も発言力がある企業の1つだった。しかし、Enronのスキャンダル発覚以来、株主は企業に対して、ストックオプションを費用計上するよう求めるようになった。これに対し、Intelをはじめとする各社は、ストックオプションの価値を評価することは不可能に近く、費用を計上することになれば企業は社員に支給するオプションの数を減らさざるを得なくなる、と反論していた。
同社会長のAndy Groveは今年初め、「これは大きな欠陥を持つ会計手法であり、われわれの財務報告の精度と透明性を低下させるものである。Intel、株主、そして社会経済に大きなダメージを与えることにつながりかねない。これは、重大な問題である」という内容の書簡を株主に送付していた。
Intelは、ストックオプションに関する議決投票では株主の支持を得られなかったが、株主がストックオプション付与プランを毎年審査できるようにする案については、議決投票で株主の支持を得ることができた。株主が提起した、同社にストックオプションではなく制限付き株式の発行を強制する案、そして特定の業績基準を満たすときのみ経営陣がオプションを行使できるとする案は、2件とも否決された。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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