企業の通信部門支出は--とくにIP機器では--復活しつつあるようだ。しかし通信キャリア各社は、財政的に不安定とみられる企業から機器を購入することに、今まで以上に消極的だ。そして、このことが、Procketのような新興企業にとっては、大型契約をさらに獲得しにくくした原因となったようだ。
CiscoやJuniperでさえ、通信キャリアの大型契約を勝ち取るために大手通信機器メーカーとの提携を利用している。Ciscoは最近、Ericssonとの契約を発表した。JuniperもLucent TechnologiesやSiemens、Ericssonなどと小売・開発契約を結んでいる。
ならば、FoundryやCiscoがProcketに関心を持つ理由は何なのか?
Foundryはハイエンドのイーサネットスイッチメーカーで、Procketと同様NTTを顧客にしている。Foundryの全収入に占める日本市場からの売上は、2003年第3四半期の18%から、2004年第1四半期には10%に減少した。2004年第1四半期の同社の収入は、この影響を受けて落ち込んだ、と複数のアナリストが指摘している。
Foundryがもっと多くのルーティング製品を揃えれば、同社はNTTとの取引を拡大できる可能性がある、とアナリストらは考えている。FoundryとProcketの組み合せは、双方にとって有利なものとなる。Foundryはより幅広い製品を提供でき、またProcketはより安定した公開企業の一部になれるからだ。
「ProcketとFoundryには、NTTという共通のつながりがあると思う。Foundryにとって、NTTは非常に戦略的な顧客だ。そしてNTTは、Procketのまさに唯一の大手キャリア顧客だ」と、Pacific Growth Equitiesのアナリスト、Erik Suppigerは述べている。
一方、CiscoによるProcket買収の根拠は、Foundryの場合に比べると正当化がやや難しそうだ。Ciscoは4年間という歳月と5億ドルの資金をかけて、同社の次世代ルータ「CRS-1」を開発したばかりだ。CRS-1は、Procketのコア製品であるIPルータと直接競合する製品だ。
「Ciscoが買収に出るかどうかは、それほど明白ではない。ProcketのルータはCiscoがリリースしたばかりのハイエンドルータと(市場が)重複すると見られるためだ。Procketの買収は、Ciscoの買収戦略とつじつまが合わない」(Suppiger)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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