ウェブでの音声/映像検索技術はどこまで進んだか - (page 3)

Stefanie Olsen(CNET News.com)2004年06月14日 10時00分

 カリフォルニア州マウンテンビューに本社を置くGoogleは、マルチメディア検索サービスの提供に向けた第1段階として、 同社の専門ニュース集約サービスであるGoogle NewsにNPRの音声ファイルを登録している。例えば、「Talk of the Nation」などのNPRの音声番組の中で議論された重要トピックを検索すると、その音声番組や、そのトピックが取り上げられている特定部分へのリンクが表示される。

 Googleの広報担当は、NPRとの関係は認めたものの、技術の詳細についてはコメントを避けた。かつてGoogleの幹部が述べたところによると、これまで同社がマルチメディアファイルをリストアップしてこなかったのは、所有者が守りたいと考えている著作物をインデックス化したり、リンクを張ることによって裁判沙汰になることを避けたかったためだという。しかしそれらの理由以上に、音声/映像ファイル検索はウェブのリスト作成に比べ、技術的にはるかに困難な作業になる可能性という点が大きなネックとなった。

 StreamSageのMurrayは、同社が情報を保存しているわけではなく、GoogleやYahooと同様にユーザーをウェブ中の音声/映像に導いているだけなので、将来、著作権問題が生じる可能性については懸念していないという。

 検索エンジンが正確にどこまでマルチメディアファイルへのリンク付けが行なえるのかについては、裁判所もまだ明確な判断を下していない。MP3Board.comというオンライン音楽サイトが無断で音楽ファイルにリンクを張った行為は違法だとして、レコード業界が同サイトを提訴し、その後長期化していた裁判で、業界側が密かに和解に応じ、和解金の請求もなかったことを、同サイトの弁護士であるIra Rothkenは明らかにしている。

 Yahooも今年2月に、同社の検索可能なデータベースに、より入手困難な情報を追加するためのシステマティックな取り組みである「コンテンツ獲得」プログラムの概要を発表した際、NPRとの関係も合わせて発表した。

 NPRのアフィリエートでボストンに本社を置くWBUR.orgは、Speechbot と呼ばれるHewlett-Packard製の類似技術を使用している。WBURのニューメディア担当ディレクター、Robin Lubbockによると、同社はSpeechbotを使って音声をテキストに変換し、同社のウェブサイト上で従業員やアクセスしたユーザーがコンテンツを検索できるようにしているという。

 現在Autonomyが所有するVirageは、インストリーム音声/映像を分析し、ユーザーが視聴したい部分に即アクセスできるようにする技術を保有している。しかし、同技術は企業向けソリューションとしてはコストがかかりすぎる可能性がある。

 オンラインメディアの広告代理店Fathom Onlineの最高技術責任者(CTO)、Jay Websterによると、音声/映像を配信している放送局の大半は、自社コンテンツを検索エンジンに登録する際、まず自ら手作業でインデックス化を行なわなければならないだろうと指摘する。

 「検索したキーワードが音声の中に見つかり、その音声が検索結果として出てくれば素晴らしいと思うが、(現在の検索技術では)まだその段階まで達していない」(Webster)

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