チップに対する幅広い需要が増加したことにより、2004年の半導体売上がこれまでの予想を上回りそうであることを、Semiconductor Industry Association(SIA)が今週明かした。だが、この勢いを将来的に維持するためには一層の努力が必要になる、という。
SIAが発表した最新の予測値によると、2004年の世界における半導体売上は2140億ドルに達し、2000年の2040億ドルという、これまでの最高記録を塗り替えるという。またSIAは、PCや家電製品、携帯電話、通信機器、自動車向け製品の需要が拡大していることに言及する。SIAは昨年11月に、2004年のチップ売上が1946億ドルになると予想していた。
SIAのプレジデントGeorge Scaliseは声明の中で、「2004年は予想を大幅に上回る力強い成長が続いている」と述べている。
長期的にみると同市場は2007年まで毎年10.4%のペースで成長を続け、2007年には世界の売上が2500億ドルに達するだろう、とSIAは毎年恒例の中間発表の中で予測している。この数値は過去数十年と比べると低いが、同団体はこれについて「極めて健全な成長」とコメントしている。
SIAはまた、2005年には世界の売上高が4.2%増の2230億ドルに達し、2006年には0.8%減の2210億ドルになる、と予想している。また、2007年には市場が再び成長し、市場規模は11.7%増の2470億ドルになる、という。
SIAは、2007年には売上高が2500億ドル近くに達するだろうと予測する一方で、今後チップメーカー各社は成長の妨げになるような課題に直面するだろう、とも指摘した。このような状況を鑑み、同団体では半導体技術の研究を推進する国立の研究機関を設立するよう求めている。
SIAが提案するNanoelectronics Research Instituteには、チップメーカーや学界、政府が参加する。この研究機関を設立する目的は、今後のチップ開発で予想される各種の課題を共同で克服し、業界最先端という、米国チップメーカーの現在の地位を守り抜くことにある。SIAは米国チップメーカーで構成される業界団体。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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