デスクトップLinuxを専門に開発する新興企業のXandrosが、同社製品の機能限定版を無料で提供し始めた。
同社は米国時間9日、「Open Circulation Edition」という製品をリリースした。この無料バージョンは、同社の通常製品と似ているものの、個人利用に限定され、またいくつかの機能が省かれている。
同製品には、電子メールでのサポートや取扱説明書、現行最速のCD書き込み機能、Linux上でWindows用アプリケーションを走らせるCodeWeaversなどが省かれていると、Zandrosでは説明している。また同製品には、ウェブブラウザとしてOperaの広告付きバージョンが含まれている。
Xandrosの今回の発表は、Linuxやオープンソースソフトの人気の高まりに乗じようと営利企業が続けている取り組みにおいて、新たな1章となるものだ。オープンソース製品は元々無料で入手できるもので、必ずしもパッケージ化して手軽に入手できるようにする必要はない。多くのLinuxベンダでは、Linux関連ソフトウェアの選択や動作確認、サポートを行っており、これらのサービスには対価を払うだけの価値があると主張している。
これに対し、営利目的の企業にとっても、オープンソースソフトウェアをパッケージ化し、それを無料で提供するインセンティブがあり得るという意見もある。無料版の配布によって製品を人気を高めたり、開発者がその製品をサポートするようになることも考えられ、また無料版のユーザーを有料製品に乗り換えさせる機会も得られるからだ。
しかし、こうしたやり方にも限界があるようだ。Linuxベンダーとして最も成功したRed Hatは2002年に、製品の無料配布を続けていても十分な利益を上げられないと判断した。
Red Hatは以前、無料でダウンロードできる製品に、サポートを付けて有料で販売していた。しかし、2002年に同社は製品を2つに分け、サポート付きの企業向け製品「Red Hat Enterprise Linux(RHEL)」は無料でダウンロードできないようにした。
一方、No.2ベンダーのSuSE Linuxは、Novellに買収された。そのほか、LindowsはOSを低価格で販売し、ダウンロード可能な追加ソフトウェアに対して追加料金を徴収している。
Xandrosは、Lindowsのように、ネットワーク用サーバコンピュータよりも、デスクトップPC向けのLinuxに注力している。同社は、39ドルのStandard Edition、89ドルのDeluxe Edition、129ドルのBusiness Editionの3つのバージョンを販売している。
ただし、今回リリースになった無料版にも、金儲けの仕掛けがいくつか組み込まれている。
たとえば、今回の無料版はBitTorrent経由でしか手に入らない。BitTorrentはコンピュータ同士を結んでファイル共有を行うネットワークを構築するもので、Xandrosから直接このソフトウェアをダウンロードするには、10ドルの料金がかかる。そのほか、350ページにもおよぶマニュアルを入手したいユーザーは、別途DeluxeまたはBusiness版を購入する必要がある。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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