Apple Computerは米国時間7日、家庭内での音楽配信機能を持つ、129ドルの携帯可能な無線ベースステーションを発表した。
7月発売予定の「AirPort Express」は、スピーカーやサウンドシステムとの接続用にアナログとデジタルの両音声出力端子を搭載。同デバイスは壁のコンセントに直接接続可能で、電源ケーブルや電源アダプタが不要となっている。この特徴について、Appleでは旅行者や、家庭内で音楽のストリーミングを楽しみたい人にとって魅力的なはずだと話している。
既存のAirMac Extreme製品同様、このExpressも802.11g無線通信規格を採用しており、AppleがAirTunesと呼ぶ技術を利用して、iTunes搭載のPCやMacから音楽をストリーミング配信できる。
Apple最高経営責任者(CEO)のSteve Jobsは声明の中で、「AirMac Expressは単に世界初のモバイル802.11gベースステーションというだけでなく、AirTunesを付加することでiTunesの曲を家庭内のどのステレオでも再生できるようになる。しかもワイヤレスでだ」と述べている。
「ホテルの部屋でワイヤレスの利便性を望むノートPCユーザーや、iTunesのライブラリに貯めた曲を家の中のどこにあるステレオからでも聴きたい音楽愛好家の両方に、この製品はアピールするだろう」(Jobs)
AirTunesは、iTunesのバージョン4.6と連動するよう設計されているが、この最新版ソフトは今週中に公開が予定されており、MacとPCの両バージョンとも無償でダウンロードできるようになる。iTunes 4.6は、離れた場所にあるスピーカーを自動的に検知し、最大45メートルの距離まで楽曲を安全かつ最高品質でストリーム配信する、とAppleは説明している。
AirMac Expressベースステーションは最大10台までの同時接続をサポートし、別のExpressもしくはAirMac Extremeベースステーションと組み合わせて、ワイヤレスブリッジとして機能させ、ワイヤレスネットワークの到達範囲を拡大することもできる。さらに、AirMac Expressにはプリンタ接続用のUSBポートも搭載されており、ワイヤレスネットワーク上のすべてのコンピュータが接続された機器を共有できるようになっている。
Appleのハードウェアマーケティング担当バイスプレジデントGreg Joswiakは、同社が音楽技術とワイヤレス技術の両方に多額の投資をしてきたと語った。
「これこそ、まさしく両方の世界を組み合わせた製品だ」(Joswiak)
以前からMacファンの間では、AppleがMacからステレオに音楽をストリーム配信する自社製品をリリースするとの推測があった。Macに保存された楽曲をステレオでストリーミング再生するサードパーティー製品は既に存在する。
AirMac ExpressはMac OS X 10.1.5以上が動作するMacに対応する。しかし、AirTunes機能を動かすにはMac OS X 10.3 Pantherが必要で、PCではWindows XPが必要。PCやMacが802.11gカードを搭載する必要はなく、AirMac ExpressはオリジナルのAirMacカードなどの802.11bカード搭載のコンピュータにも対応する(Joswiak)という。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス