Sun Microsystemsは、先ごろ同社のサーバ用オペレーティングシステム(OS)「Solaris」をオープンソース化すると発表したが、これに続いて同社のJava技術についても同様の措置を計画していることを明らかにした。
SunのテクノロジーエバンジェリストRaghavan Srinivasが、CNET Networksの Builder AUに対し、Javaのオープンソースバージョンが「今後登場する予定だ」と語った。しかし、どのようなスケジュールでオープンソース化が実施されるかについては詳しい説明を避け、具体的なライセンス形態についても明らかにしなかった。
「どのようにJavaをオープンソースにするかは、まだ話が煮詰まっていない。しかし、将来ある時点でそうなるだろう」とSrinivasは語り、「今日かもしれないし、明日あるいは2年先になるかもしれない」と付け加えた。
Sun関係者がJavaプログラミング言語をオープンソースにすると明言したのは、これが初めてのことだ。同社ではこれまで複数の人間がJavaについて、現在の形態ですでに十分オープンであり、もしこれをオープンソースにしてしまうと、互換性のないいくつものバージョンが出来てしまうおそれがあると述べていた。
同社社長兼最高業務責任者(COO)のJonathan Schwartzは6月2日(米国時間)、Sunが独自のSolaris OSについてオープンソース化を計画していると語った。しかし同氏も、この変更がいつ実施されるかについては明らかにしなかった。
ソフトウェアをオープンソース化することによってどのようなチャンスを手に入れられるか、Sunはこれまで何度も検討を加えてきた。同社がソフトウェアをオープンソースで提供すれば、ライバルにあたるMicrosoftの力を弱める手段を得られるものの、同時にSun自体も競争上の脅威にさらされる可能性が生じてしまう。
Javaをオープンソース化することにメリットがあるか否かについては、開発者コミュニティでも見解が分かれている。
今年に入って、フリーソフトウェアを支持するRichard Stallmanや、オープンソース陣営のリーダー的存在であるEric Raymondが、それぞれSunに対し、Javaをオープンソース化するよう求めていた。開発者間でJavaの普及をさらに進めるためにはオープンソース化が必要であり、開発者が自由にコードに触れるようになれば、Javaの新しい可能性も引き出される、というのが彼らの考えだ。また、Javaに対してSun以上に金銭的な利害を持つといわれるIBMも、Sunに向けて同様の呼びかけを行っている。
だが、他の関係者やSun自体は、Javaというブランドが将来どうなるか、そしてさまざまな製品の間で互換性が保たれるかが、Javaをオープンソースにする上での最大のハードルであり、また一番懸念される点でもあると考えている。この立場に立つ人間がもっともおそれているのは、Java技術にバージョン分岐が起こり、いくつもの互換性のないバージョンができてしまうことで、「一度書けば、どのOS上でも動かせる」というJavaの魅力が失われ、プログラミング言語としてもプラットフォームとしても魅力が低下してしまうことだ。このため、現在のJava Community Process--各社がJavaソフトウェアの機能改善について提言を行い、そのための協力を進める手続きのあり方について、決して完全ではないが必要なシステムだと見る者も多い。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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