米InstallShield Softwareの総代理店であるネットワールドは28日、ソフトウェアベンダーがユーザーに製品のアップデートを効率的に配布できる新製品InstallShield Update Serviceを発表した。価格は、ネットワールドのオンラインショップ価格でホスティングサービス形式が8万4000円から。同日より販売を開始し、6月1日より提供される。
InstallShield Softwareプロダクトマネージャー クリス・ワーナー氏 |
「ソフトウェアのアップデートには数々の問題がある。それを解決するのがUpdate Serviceだ」と語るのは、InstallShield Softwareプロダクトマネージャーのクリス・ワーナー氏。ソフトウェアアップデートにおける問題点とは、多くのソフトウェアではセキュリティパッチが頻繁に発行されるため、ユーザーがソフトウェアをアップデートし続ける必要があり、その都度手間がかかるという点だ。また、製品を購入してもユーザー登録を行わないユーザーも多く、ベンダーがアップデート情報を的確に知らせることができないことも課題となっている。「サポート担当者は、ソフトウェアアップデートのために多大の時間を費やしている」とワーナー氏は指摘する。
InstallShieldのUpdate Serviceを利用すれば、ユーザー情報を的確に把握し、ユーザーに合ったアップデートサービスを提供することができるという。ソフトウェアのアップデートはもちろん、データアップデート、パッチ、ホットフィックス、製品情報なども自動的に配布または配信が可能だ。サポートコストの負担が軽減されることはもちろん、「ユーザー登録がないことで切れてしまうユーザーとメーカーのパイプをつなげることができる」と、ネットワールド マーケティング本部 取締役本部長の森田晶一氏はアピールする。
Update Serviceの具体的な機能は、ユーザーが必要とするアップデートのみを適切に通知および配布する機能をはじめ、ソフトウェアのユーザー数を把握できる利用状況のレポート機能、一定のユーザー数ごとにアップデート情報の配信時刻をずらすことでダウンロードサーバの負荷を軽減する時差配信機能、不正ユーザーがデータを改ざんできないよう、読み取り専用やフルアクセス権限でユーザーアカウントを作成できるロールベースのPublisher ID発行機能などがある。「ソフトウェアのアップデートが作成されると、Update Serviceがユーザーにその旨を通知し、円滑なダウンロードを促進する。ユーザーがインストールを完了すると、その結果がベンダーに報告される。このように、ソフトウェア会社におけるアプリケーションライフサイクル全体の管理を支援するのがUpdate Serviceだ」とワーナー氏は述べる。
エンドユーザーは、埋め込みのウィザードインターフェースやウェブインターフェース、スタンドアロンのアップデートマネージャーなどでアップデート情報を入手することが可能。ウェブインターフェースは、Windows Updateと似たデザインになっている。
Update Serviceのウェブインターフェース(クリックすると拡大します) |
InstallShield Softwareでは、アップデートの作成に関しては、インストーラ開発ツールとして高いシェアを握るInstallShieldの利用を推奨している。なお同社は同日、Update Serviceとの連携が可能となったInstallShield最新版となるInstallShield X日本語版も同時発表している。
Update Serviceはすでに米国で先行販売されており、ワーナー氏によると推定ですでに4000万台程度のデスクトップに同製品が導入されているという。ワーナー氏は、「オーサリングツールのInstallShieldはすでにシェア90%と、事実上業界標準となっている。InstallShield XにはUpdate Serviceの簡易版もバンドルされるため、今後2年間のうちに約2億台のデスクトップでUpdate Serviceが使われるようになるだろう」と述べた。
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