三菱電機は5月26日、リアプロジェクションテレビの薄型化を可能にする広角光学エンジンを開発したと発表した。これにより、画面サイズが60インチ以上でも奥行きが20cm以下の大画面薄型テレビが生産可能になる。2005年の商品化を目指すという。
リアプロジェクションテレビとは、スクリーンの後ろからプロジェクタを使って画像を映し出す方式のテレビのこと。大型化が簡単で、プラズマテレビよりも価格が安いことから、米国などで人気を集めている。しかし画面を大きくするためには投射距離が必要なため、本体の厚みが課題となっていた。
三菱電機が今回開発したる広角光学エンジンの仕組み(クリックすると拡大されます) |
三菱電機が今回開発した技術は、Texas InstrumentのDLP方式を採用したもの。投射レンズの配置と非球面ミラーの形状を見直すことで、投射距離を従来の50cmから20cmに短縮した。これにより、画面サイズが60〜70インチで、奥行き20cm以下のリアプロジェクションテレビが実現可能になるという。
プラズマテレビの奥行きが10cm程度だが、本体とは別にテレビ放送受信用のレシーバーが必要なものが多い。レシーバーの奥行きは20cm〜30cm程度であることから、三菱電機先端技術総合研究所 所長の久間和夫氏は「プラズマテレビに対抗できる」と自信を見せた。
三菱電機は米国でリアプロジェクションテレビの販売を進めており、米国の民生用リアプロジェクションテレビ市場において約20%のシェアを持つという。国内では業務用のみの販売となっているが、2004年度中に62インチのリアプロジェクションテレビを発売する予定。今回発表された広角光学エンジンは量産性の面で課題が残っているといい、同エンジンを搭載したリアプロジェクションテレビは2005年の発売となる予定だ。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果