AppleのMacintoshで、Windows用のソフトウェアを実行するアプリケーションは、比較的安定したものがかなり以前から存在していたが、Windowsマシン上でMac用のプログラムを動かすことはこれまでほとんど不可能だった。
そこに、2人の熱心なファンがその傾向に反旗を翻し、PearPCというオープンソースプログラムの開発を始めた。このソフトウェアは、IntelやAdvanced Micro Devices(AMD)製チップを搭載したPCで、PowerPCチップで動作するMacをエミュレートできるようにするというものだ。
このソフトウェアは各種バージョンのLinuxも動作させることができるが、多くの人の関心はPCでMac OSを実行できるという点に集中している。ただし、早くもこのソフトをテストしたユーザーの話では、なんとか動きはするものの、動作は非常に遅いという。
Sebastian Biallasは、Stefan Weyergrafの助けを借りてPearPCを開発したが、同氏もこのソフトウェアの限界を認め、クラッシュが頻発し、またホストPCと比べると数パーセントの処理スピードしかでないと警告している。
それでも、BiallasとWeyergrafによる努力は、Mac以外のマシンでMac OS Xを動作させる取り組みの中では、最高の結果を出しているように思える。Macの歴史の中で、同オペレーティングシステムをPC上で動作させる試みは何度かあったが、Emaculation.comの記録にあるように、その成果はまちまちだった。
Biallasは開発の継続を促しており、SourceforgeサイトでPearPCを公開している。
これとは対照的に、MacでPC用のソフトウェアを実行できるようにするVirtual PCは、何年も前から存在している。もともとConnectixが開発し、後にMicrosoftが'買収で手に入れた同ソフトは、パフォーマンスはやや劣るものの、Windowsの最新バージョンを動作させられる。
実績ではかなり劣るが、PearPCにはMacファンからかなりの関心が集まっており、その多くが自分のPCでMac用ソフトウェアが本当に実行できるのか先を争って試している。
Thom Holwerdaというオランダ人の大学生は、Mac OS Xを試したくても新しいコンピュータが買えなかったという。
Holwerdaは、OSNewsというOS関連のファンサイトで、PearPCの記事を目にしたと話している。Holwerdaは電子メールによるインタビューに答え、「私はすぐにこれを試そうと思った」と書いている。
PearPCにはMac OS Xが含まれていないが、Holwerdaは友人からこれを借りてきたと話している。だが、ソフトウェアは動いたものの、そのスピードはインストールされたPC自体の速度と比べて2.2%程度でしかないという。
その結果、HolwerdaはMac OS X用のプログラムは動かしていない。「現時点ではあまり使いものにならない。あまりにも遅すぎる」(Holwerda)
それでもHolwerdaは勇気づけられており、「今回のものは0.1バージョンに過ぎず、今後確実に良くなっていくだろう」と話している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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