America Online(AOL)は過去2年にわたって、大半の時間を生き残りを賭けた戦いに費やしてきた。そのAOLがいま、顧客をつなぎとめウェブでのビジネスを拡大するための新しい計画を手に、攻勢に転じようとしている。ただし、過去にもこうした計画が試みられたことはあったが、成果はほとんど上がらなかった。
AOLのCEO(最高経営責任者)、Jonathan Millerは米国時間22日、同社の再建計画をTime Warnerの取締役会に提示する。CNET News.comではMillerにインタビューを試みたが、AOLはこれを受け入れなかった。だが、Millerは新しいコスト削減策を提案し、回復基調にあるオンライン広告市場の活用を狙った計画の概略を説明する予定だと、AOLに近い情報筋は語っている。
この戦略の中心となるのはAOL.comウェブサイトの方向転換で、同社ではさらに多くの訪問者を呼び込み、またオープンなインターネット上でさらに多くの広告を販売したい考えだが、これは独自サービスの強化に重点を置いていた過去のやり方からの決別を意味するものだ。
Kaufman Bros.のアナリストMark Mayは、「これはインターネット市場の変化の速さを示している。3〜4年前には独占的な立場にあったAOLが、自社のビジネスを徹底的に見直さなくてはならないのだ」と語った。
AOL.comを、YahooやMicrosoftのMSNのようなウェブポータルに変えるという考え方は、今に始まったことではない。だが、Time Warnerの一部門となった同社にとって、いまは非常に重要な時期にあたる。なかでも加入者数の減少と、商慣習を巡る政府による2件の調査は、AOLが直面する課題のなかでも最も大きなものだ。Time Warnerでは、AOLが自力回復する機会を与えることに前向きではあるようだが、同社経営陣がAOLの売却をさらに真剣に検討しているとの噂も流れている。
Millerの計画の第一弾は今年の夏から始まるとされており、同社はAOL.comを新たに立ち上げて、加入者向けサービスと同様のコンテンツや機能をウェブでも提供していく。情報筋の話では、再出発時には加入者しかアクセスできないものの、AOL.comでは将来的に、より多くのコンテンツやサービスを一般に開放する可能性があるという。
AOLはほかにも、自社のクローズドなネットワークの一般開放を目指した対策をいくつか実施している。AOLのクライアントソフトを起動しなくても、顧客がメッセージにアクセスできるようにする自社メーラの新バージョンをリリースしたのもその1つである。
またAOLは傘下のNetscapeでソフトウェア開発者の人材募集も始めている。ただし、これに関する計画はまだ発表されていない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向け に編集したものです。
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