ネットワークスイッチベンダーのアライドテレシスは4月22日、今後3年間、開発費の70%をIPv6対応製品の開発に投入すると発表した。まず2004年は連結ベースで約56億円を投資する。2003年度のIPv6関連製品の売上高は約15億円だが、これを2007年までに300億円にまで拡大する。
アライドテレシス代表取締役副会長の高木弘幸氏 |
同社は2001年より製品のIPv6対応を進めており、現在ではほとんどの製品がIPv6に対応している。しかし、IPv6を利用するアプリケーションが少ないことや、現行のIPv4製品に比べて価格が高いことなどがネックとなり、普及が進んでいない。低価格帯のIPv6対応エッジスイッチを投入することでこの状況を打破し、IPv6市場を広げたいとアライドテレシス代表取締役副会長の高木弘幸氏は話す。
その第1弾となるのが5月中旬に出荷予定のエッジスイッチ「CentreCOM 8948XL」だ。1Uサイズで、10BASE-T/100BASE-TXを48ポート、ギガビットポートを4ポート備えている。IPv6アクセラレータボードを装着することで、IPv6をハードウェアでルーティングすることが可能。これによりギガビット級のスループットで転送できるという。アライドテレシスではCentreCOM 8948XLとIPv6アクセラレータボード、電源やファンをセットにし、標準価格の約半額となる99万8000円(税抜)で販売するキャンペーンを9月末まで展開する。
IPv6対応のエッジスイッチはすでにファウンドリーネットワークスが製品化している。またシスコシステムズも対応を検討している段階にある。アライドテレシスでは100万円を切る価格帯で市場に投入することで、IPv6への対応を検討している企業を取り込む考えだ。
第4四半期には10ギガビットイーサネット対応のIPv6エッジスイッチを出荷する予定。これらの取り組みにより、2007年までに国内のIPv6スイッチ市場において、金額ベースで20%のシェアを目指すとしている。
主なターゲットはISPや地方自治体、医療機関となる。「遠隔医療の分野では高精細な画像をリアルタイムに伝送する必要があり、IPv6のマルチキャスト機能が有効」とアライドテレシス上級執行役員マーケティング営業本部長の長尾利彦氏は自信を見せた。
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