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「進化するか、滅びるか」--放送業界に適応を迫るFCCパウウェル議長

Stefanie Olsen(CNET News.com)2004年04月21日 23時32分
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 ラスベガス発--新たに登場してくるさまざまなテクノロジーを前にして、もし利用者のニーズに適応しなければ、放送業界が衰退することもあり得る。

 これは、米連邦通信委員会(FCC)議長のMichael Powellが米国時間20日、当地で開催された全米放送事業者協会(NAB)カンファレンスの基調講演のなかで発したメッセージだ。

 「放送こそ、本来のマスメディアだ。その対極で、高度に個人化され、カスタマイズされたニュースや情報にアクセスできるデジタル世代が浮上しつつある」と、PowellはNAB年次総会に参加した聴衆にそう語った。

 「ビジネスとしての放送はどこに向かうのか? 変化に適応するか、自ら進化するか、あるいは滅びるかしかない」(Powell)

 Powellのコメントは、地上波を利用する従来の放送局の置かれた立場を反映したものだ。これらの放送事業者は次々と登場する有料ケーブルテレビや衛星放送、またインターネットやビデオ−オン-デマンド、ワイヤレスやゲームテクノロジーのような新しいデジタルメディアとの競争にさらされている。

 生き残りを賭る放送局は、FCCの指令の下で、現在デジタル放送に移行しつつある。FCCはワイヤレス業界のような他の用途に割り当てるため、現在地上波の帯域をテレビから取りあげている。この動きによって、放送局は1つの周波数に6つのチャネルを設け、これを通じて複数の番組を流せるマルチキャストが可能になり、放送局は特定のコミュニティに合わせた番組を放送できるようになる。

 しかし、さまざまな業界がローカルレベルのニュースや情報で利用者を取り込もうと、競争が激化していることを考えれば、放送局にとってこのような移行は遅すぎるかもしれない。

 「今後、Wi-Fi放送が、無料の地上波番組を提供する地元の放送局に匹敵するサービスを提供するようになれば、従来の放送局は問題に直面するだろう。大勢の人がこの市場を狙っている」と、Powellは述べた。

 同氏は、そのような状況になれば、政府は放送業者から周波数帯に関する利用ライセンスを取り上げるか、もしくは利用料を要求することもあり得ると述べた。同氏は放送業界に対して引き続きローカル向けの放送を流せるよう一定の枠を設けるとして彼らを安心させる一方で、一丸となってこの問題の解決策を見つけ出すよう呼びかけた。

 アイオワ公共テレビで技術部門を担当するアシスタントディレクターのPaul Ollingerは、Powerの発言を一種の警告として受け止めた。「競争力を保ち続けなければ、新たに登場してくる技術に我々の帯域幅を奪われてしまう」(Ollinger)

 ベテランジャーナリスト、Sam Donaldsonとの会談で発せられたPowellの一連のコメントは、NABカンファレンスと業界一般の全体的な変化を反映するものだ。

 20年ほど前まで、NABのカンファレンス参加者は放送業界関係者に限られていた。だが現在では、同関係者は全体の約3分の1程度に過ぎない。これまで何年にもわたって、参加者の顔ぶれは大いに多様化してきており、新たなメディアやテクノロジー企業やDVDコンテンツの制作者、無線サービスプロバイダ、そして衛星方法やケーブルテレビ業界の各社も混じるようになっている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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