マイクロソフト、全ての訴訟解決への道険し

Ina Fried(CNET News.com)2004年04月19日 20時16分

 Microsoftは、数多くの訴訟事件を解決する中で、より良い企業市民を目指すとともに、永遠に続くかに見える法廷闘争から生じるコストと混乱を最小限に食い止めようとしている。

 同社は昨年以来、係争中の複数の反トラスト法訴訟について、同社が妥当と考える条件でなら和解したいと述べてきた。また同社は最近、InterTrust、AT&T、Immersionなどの企業が起こした、数多くの注目された特許権侵害訴訟で和解している。

 Microsoftは、これまでの対立姿勢を和らげるために、訴訟好きな競合他社が分け前を得ようと列をなす中、およそ600億ドルが詰まった企業版ピニャータ(菓子などが詰まった紙製の人形)になるというリスクを冒そうとしているように見える。現在係争中の同社に対する特許権侵害訴訟はおよそ30件に上り、さらに各国政府、競合他社、集団代表訴訟の代理人によって数多くの反トラスト訴訟が提起されている。

 アナリストらは、確かにMicrosoftは話し合いに応じる姿勢を見せているが、同社が新たな訴訟の水門を開放する可能性は低いと指摘する。

 「(Microsoftが)現在掲げている目標以上の目標を胸に描いているとは思えない」と語るのは、ワシントンD.CにあるJones Day法律事務所に勤務する知的財産権専門の弁護士、Blaney Harperだ。

 Kelley Drye & Warren法律事務所の反トラスト訴訟部門の責任者、Richard Donovanは、おそらく同社の反トラスト違反問題についても同じことが言えると指摘する。Donovanはその根拠として、Microsoftは莫大な資産を抱えており、また米司法省が起した反トラスト訴訟では、稀に見る激しい法廷闘争を繰り広げた点を挙げている。

 「Microsoftはくだらない訴訟の和解には応じない。同社が和解に応じるのはあくまで正当な訴訟だけだ」(Donovan)

 しかし依然として、同社に対する訴訟が次々と提起され続けている。現在係属中のおよそ30件の特許権侵害訴訟のうち、およそ10件が2003年に提起されたものだ。欧州連合(EU)や米国の規制当局者がそれぞれの反トラスト訴訟を解決すると、また新たな調査が開始されている。

 日本の公正取引委員会は今年2月にMicrosoft日本法人の立ち入り調査を行った。同社は、調査はWindowsのライセンス契約の中の一条項に関するもので、同条項はすでに削除したと主張した。

 また韓国のインターネットポータル企業が今月はじめ、Windows XPにバンドルされているインスタントメッセージング(IM)プログラムによって、同社の市場競争力が損なわれているとして、Microsoftに860万ドル(100億ウォン)の損害賠償を求める訴えを起こした。

 Microsoftの幹部は、同社が他の大企業より多くの訴訟を起こされているか否かは分からないと語ったが、広報担当のJim Deslerは、幹部らは同社に対する特許訴訟の大半は根拠のないものと考えていると述べ、実際ここ数カ月間で15件の特許訴訟が裁判所に棄却されたと語った。またDeslerは競合する韓国企業が提起した訴訟について異議を唱えた。

 「我々は公正な競争を行ってきたと考えている。韓国のIM市場では健全な競争が行われており、その競争は今後も引き続き、韓国の消費者の利益となる」(Desler)。

 Microsoftを提訴する上での最大の阻害要因は、訴訟に要するコストだ。「訴訟を起こすには高額な費用がかかる。生半可な気持ちでは提訴できない」(Harper)

 またMicrosoftは、最終的に和解した多くの訴訟で、訴訟プロセスが進展するまで待っていた。そうすることで、弱気な原告をふるいにかけるのだ。Microsoftによると、同社は特許訴訟で、原告企業が知的財産権の価値を証明できた時に限り和解に応じてきたという。

 Microsoftの技術ポリシー担当ディレクター、David Kaeferは、「(知的財産権の)価値を伝えている限り、新たに提訴されることはないだろう」と述べ、さらに「正当な知的財産権や特許権を持っていない場合は、和解には応じない」と語った。

 Microsoftは、すでに大量の知的財産権が存在する分野に次々と進出しているため、特許訴訟の和解費用は様々な面で、事業に必要なコストとなっている。

 Kaeferによると、なかには早くからその事実に気づき、他社の知的財産権の取得コストをビジネスモデルの中に組み込んだ企業もあり、Ciscoもその1社だという。「それらの企業の知的財産権の多くは、社内で開発されたものではない」(Kaefer)

 Kaeferは、将来発生する可能性のある知的財産権に関わる賠償義務をドル単位で評価するのは難しいが、同社はソフトウェアへの新機能搭載を決める際にはこの点を考慮に入れている、と語った。「(将来の知的財産権に関する賠償義務は)我々にとって、はるかに明確になりつつある問題だ」(Kaefer)

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向け に編集したものです。

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