IBMは14日(米国時間)、ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)への取り組みの一環として、北米のテレビメーカーPhilips Consumer Electronicsと契約を交わし、Philipsのアフターサービス業務をIBMが代行することになったと発表した。同社に近い関係者によると、契約の評価額はおよそ3億ドルで、契約期間は7年だという。
IBMの発表によると、同社はカスタマーサービス業務を改善するためのコンサルティングをPhilipsに提供するという。また同社は、品質保証管理や顧客対応、修理業務を含むPhilipsのサービス業務も代行するとのことだ。修理業務については、IBMが所有する修理センターで一部を取り扱うほか、Philipsの認可代理店のネットワークも利用するとIBMは説明する。この契約の対象となるPhilips製品は500点以上にものぼり、テレビやCDプレイヤーも含まれるとIBMはいう。
Philipsはこの契約について、業務効率化に向けた計画の一部であると説明した。また、顧客満足度やブランドイメージを向上させることも念頭において検討したという。
IBMは、BPOの分野に進出している数多くのテクノロジーサービスプロバイダーのうちの1社だ。BPOとは、企業が人材の管理や調達などの業務を外部へ委託することを指す。Hewlett-Packard(HP)のように最近この分野へ進出した企業もあれば、Electronic Data SystemsやComputer Sciencesのように以前からこのようなサービスを提供してきた企業もある。
IBMは、2002年にPricewaterhouseCoopersのコンサルティング部門を買収して、企業向けコンサルティングやアウトソーシング業務を強化した。IBMのBPO部門の代表的な顧客として、Procter & Gambleや、投資情報サービス会社のLincoln Financial Groupが名を連ねる。
IBMによれば、Philips製品に関する電話の問い合わせは年間100万件を越す見通しだという。さらに同社は、修理や交換については年間80万件の処理を見込んでいる。契約は来月、発効の予定だ。
IBMはもともとテレビなどの家電製品を専門に扱って来なかったが、コンピュータと家電の世界の融合が進んでいるため、この契約は理にかなったものだと同社は主張する。IBMの広報担当Ian Colleyは、「プラズマテレビにしても、MP3プレイヤーにしても、今や大部分の家電はデジタル製品だ。われわれはデジタル製品については深い見識がある」と述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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