インテル、Itaniumをダイエット--低価格の新製品発表

Michael Kanellos (CNET News.com)2004年04月13日 23時03分

 米Intelは12日(米国時間)、2プロセッササーバ向けの新型Itaniumプロセッサ2種を発表した。IntelはItaniumチップ導入の障害となっている割高感の払拭に取り組んでおり、今回の新型チップ発表もその一環である。

 今回発表された1.4GHz版Itanium 2は3MBのキャッシュを搭載し、クラスタサーバ向けに設計されている。Intelのマルチプロセッサ・プラットフォーム・マーケティング担当ディレクターJason Waxmanによると、昨年クラスタサーバ向けに発売された初期のItaniumに比べ、性能がおよそ25%向上する一方で、価格は大幅に安くなっているという。

 また同時に発表された3MBキャッシュ搭載の1.6GHz版Itanium 2はより高性能な汎用2プロセッササーバ向けに最適化されているという。

 現在Intelはいくつかの技術開発に取り組んでおり、その成果として2007年までにItaniumチップの割高感が完全に払拭され、性能面での優位性が大幅に高まるはずだとWaxmanは繰り返し述べた。

 「価格と性能のバランスが改善され、Itaniumは顧客が受け入れやすいものになったと自負している」(Waxman)

 今回Intelが価格に重点を置いたことで、Itaniumのメロドラマは再びターニングポイントを迎えている。Itaniumシリーズは2001年に予定より数年遅れて発売されたが、当初は酷評で顧客にほとんど受け入れられなかった。2002年に発売された同チップの第2版では性能が大幅に向上したものの、売上増にはつながらなかった。

 Itaniumシリーズがようやくユーザーに受け入れられるようになったのは、2003年になって従来より高性能で低価格の新版Itanium 2プロセッサ(開発コード名:Madison)が発売されてからである。同チップの年間出荷数は、最初の2年間はわずか数千個程度だったのに対し、2003年にはおよそ10万個に達した。IntelのCEOであるCraig Barrettが2月に語ったところによると、同チップの2004年の出荷数は昨年と比べて倍増する見込みという。

 Intelは今年、32ビットコードと64ビットコードの両方の実行が可能な新版Xeonチップの発売を発表している。一般にXeonとPentiumは32ビットコード、Itaniumは64ビットコードの実行が可能だ。Itaniumチップを採用する利点の1つは、コンピュータメーカーが1台のコンピュータにはるかに多くのメモリを搭載できる点にある。

 しかしItaniumは、32ビットプロセッサ用に作成されたソフトをうまく走らせることができない。それが同チップの採用を阻む1つの要因となっている。逆にAMD Opteronプロセッサの魅力の1つは、64ビットモードで32ビットプロセッサと同じソフトを起動でき、さらにより多くのデータをメモリにロードできる点だ。

 Itaniumサーバの価格を引き下げてもこのソフト問題は解消されないが、価格引下げによりまず同サーバを採用する動きが活発化する環境が整い、結果的にはソフト開発者も同チップに魅力を感じ出す可能性がある。当初、アナリストやパソコンメーカーはこの仮説に対し極めて懐疑的だったが、同サーバに対する批判的意見は1年半前に比べ大幅に減少した。

 すでに値下がりの効果は随所に現れている。2002年、2プロセッサItaniumサーバの価格はおよそ1万8000ドルだった。今回の新型チップを採用すれば、同様の構成で価格は8000ドル以下になる。さらに基本的なシングルプロセッサモデルに至っては2000ドル強での販売が可能だ。

 Intelはさらなる低価格化を実現するため、製品開発を開始する。また同時に、ItaniumサーバをXeonサーバと概ね同じ部品で製造できるようにすることを目的とした、Itaniumチップへの機能追加も開始する。Waxmanによると、2005年と2006年には、Xeon サーバに使用されているメモリなどの部品をItaniumサーバにも利用できるようになるという。

 Intelは2005年に次世代版Itaniumチップ(開発コード名:Montecito)向けのチップセットを2種類発売する。Waxmanによると、そのうち1つはMontecitoの持ち得る性能を最大限に引き出すよう設計されている。さらに、もう1つはサーバメーカーがMadisonベースのサーバにMontecitoを組み込めるよう設計されており、メーカーがそれぞれのチップ向けに別個の設計をしなくて済むよう配慮した。

 Intelは2007年までに、IBMのSummitチップセットに施したのと同じ手を使って、ItaniumサーバとXeonサーバのどちらにも対応可能な一般的なチップセットを発売する予定。

 1.4GHz版Itanium 2は12日に発売される。価格は1000個出荷時で1172ドル。一方、1.6GHz版は5月に発売予定で、価格は1000個出荷時で2408ドル。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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