Microsoftは、米国時間2日にSun Microsystemsと交わした合意の一環として、同社に19億5000万ドルを支払うことになっている。だが、Sunはこれ以外に、特許提供に対する見返りとして、今後10年間に最高で4億5000万ドルもの金額を手にする可能性が出てきた。
Sunは米国時間8日、米証券取引委員会(SEC)に提出した書類のなかで、Microsoftとの契約に基づく今後10年間の計画について詳細を明らかにした。この契約のなかには、Sunが現金もしくは技術供与という形でMicrosoftからさらに支払いを受け取れる可能性を示唆する、特許に関する条項が盛り込まれている。
SunのLee Patch(法務担当バイスプレジデント)によると、両社が交わした契約の一部である今後10年間の支払い計画では、双方に特許侵害で相手側を訴えることを認めているものの、損害賠償金の請求を禁止することで、訴訟に踏み切ることを思い留まらせているという。
Microsoftは、この契約を交わした2日時点までの特許に対して、Sunに9億ドル支払うことに同意したと、Patchは述べた。SunがSECに提出した書類によれば、Microsoftは、毎年特定額を追加で支払えば、同契約を延長できるという。今後10年間契約を延長し続けた場合、同社の支払い総額は4億5000万ドルに達するとPatchは付け加えた。
さらに、Microsoftが10年間支払いを続けた場合、両社は自動的に特許の相互使用契約を結ぶことになるが、これは相手側の保有するすべての特許を使用できるとする無期限のライセンスになると、提出した書類には記されている。しかし、両社がこれ以前に特許の相互使用契約を結べば、現行の契約は発展的に解消されることになる。なお、両社はこれに関して交渉を開始するつもりであることを明らかにしている。
独立系特許コンサルタントのRich Belgardは、このような契約は異例のものだと述べている。同氏は、Microsoftがより多くの特許を手に入れ、自社の立場が有利になるまで、特許の相互使用契約には署名しないだろうと考えている。
「Microsoftは、Sunと同等の立場になったと思える時まで契約しないだろう。Microsoftにとっては、そうするのが得策だ...このやり方なら、Microsoftは好きなだけ時間を稼ぎ、その間に4億5000万ドルの支払いを相殺できるほどの特許を手に入れられる。そうなるまでに10年かかることもあり得る。特許の相互使用契約が交わされれば、Sunにとって金銭的には不利だが、知的所有権の面では有利になると見ている」とBelgardは述べた。
Belgardによるこの解釈は、Microsoftが過去一年にわたり、発明や買収を通して1つでも多くの特許を取得するべく積極的に動いてきていることを踏まえたものだ。「Microsoftは特許がとても重要だという事実に気付いたようだ」とBelgardは述べた。
SunとMicrosoftの今回の合意には、上記の契約のほか、両社が双方の技術を利用した場合に、相手に使用料を支払うという技術協定も含まれている。この技術協定の下で、MicrosoftはSunにひとまず3億5000万ドルを支払うが、今後登場する技術の利用に関しては、それぞれがその都度金額を定めて支払うことになっている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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