Sun MicrosystemsはJohn Loiaconoという幹部が、ソフトウェア部門の新しい責任者に就任すると発表。一方、Microsoftと長年敵対してきたRich Greenというもう1人の幹部は同社を去ることになった。
今回の幹部の異動は、Sunが米国時間4月2日にMicrosoftと包括的な合意に達して以降、初めてのものとなる。数年間敵対してきた両社は先週、すべての訴訟について和解し、今後の技術プロジェクトで協力する協定に署名した。
Sunによると、Loiaconoは、Sunの社長権COO(最高業務執行責任者)に就任したJonathan Schwartzの後継として、ソフトウェア担当のエグゼクティブ・バイスプレジデントとなる。Loiaconoはこれまで、SolarisとLinuxの戦略を担当するオペレーティングプラットフォームグループのバイスプレジデントを務めてきた。
Loiaconoによると、同社は今後も現行のソフトウェア戦略に力を入れ、また同氏はMicrosoftとの技術協力に深く関与していくという。
Loiaconoは声明の中で、「我々はMicrosoftとの新たな協力関係を土台にし、データセンターやデスクトップの環境から携帯端末やスマートカードまでを包括するネットワークソリューションの提供も引き続き重視しつつ、Microsoftと最も互換性の高いソフトウェアを提供していくつもりだ」と述べている。
Loiaconoの選任はSunにとって良い選択だと、あるアナリストは指摘している。同社には、Microsoft製品との間で緊密な相互運用性を実現するという考えに肩入れしている幹部が必要だからだ。Illuminataのアナリスト、Jonathan Euniceによると、Sun経営陣の多くは、これまでSunのハードウェアやソフトウェアをMicrosoftのソフトウェアとうまく連動させることに反対してきたし、同社は内部の人材を登用しすぎる傾向があったという。
Euniceによると、Loiaconoはこれまでユーモアのセンスにあふれていることを示してきたが、これは変化を起こす意志の現れだという。
「Sun経営陣の良くないところは、自分たちのことを深刻にとらえすぎることだと思う。自分たちを笑い飛ばせれば、一歩引いた立場から行動について考えることができる。これは自分たちのやり方を変えるのに重要だ」(Eunice)
一方、GreenはSunを退社して別のソフトウェアベンチャーに参加するという。Sunの関係者が5日に明らかにしたところでは、同氏は数週間前に退職願を提出したが、Microsoftとの合意が決着するまで退職の発表を差し控えていたという。
Greenは1989年にSunに入社し、Microsoftを相手取った訴訟で中心的な役割を果たしていた人物。同社は法廷での証言のなかで、MicrosoftがJavaのライセンス提供に関する契約に違反したと主張したこともあった。また同氏は、PCメーカー各社に働きかけて、Sun独自のJava Virtual Machineソフトを搭載させた点でも功績があった。
GreenはこれまでSunのソフトウェア開発プラットフォーム担当バイスプレジデントの座にあった。同氏は開発ツールのJava Studio Creatorの開発に関わっていたが、このツールはMicrosoftのツールを使う開発者をJava陣営に引き込む目的で考えられたものだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向け に編集したものです。
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