IBMは米国時間4月1日、同社管理ツール製品拡充のために、長年のパートナーであるCandleを買収すると発表した。
Candleは、メインフレーム用アプリケーションの性能を向上させるツールを含む、企業のバックエンドシステム管理用ソフトウェアを販売している。同社は1976年の設立以来、IBMのパートナーとしてJavaアプリケーションサーバのWebSphere、データベースのDB2、管理ツールスイートのTivoliなど、多くのIBMソフトウェア製品と協調して動作する管理ツール群を取り扱っている。
IBMは、自社のミドルウェア製品を補完するものとしてCandleのツールを販売するつもりだという。IBMのTivoli部門でゼネラルマネージャを務めるRobert LeBlancが、Candle製品の統合を指揮することになる。
この買収はツールの機能強化を求める市場の要求に答えるものになるだろうとLeBlancは述べている。
「顧客は『end-to-end』という(ミドルウェアを含む、全体をカバーするような)ソリューションを求めている。たくさんのベンダーからソリューションをバラバラに購入し、自社でそれを統合するような羽目には陥りたくないと考えている」(LeBlanc)
IBMでは、メインフレーム向けのシステムパフォーマンスを追跡するCandle製ツールと、Tivoliのモニタリングソフトウェアを統合していく計画だ。同社はまた、分散システム管理向けのCandleのツールを、自社のデータベースやサーバソフトウェア製品と連携させていくと説明している。
なお、この買収に関する金銭面の条件は公表されなかった。
Candleは約3000社の顧客と従業員約800人を抱える大企業。同社では売上金額は公表していないものの、社長のAndy Mullinsは黒字経営だという。
M&Aアドバイザー企業のBroadviewで管理ディレクターを務めるPaul Crisciは、今回のIBMの買収劇でCandle側の会計アドバイザーの役割を果たした。同氏によれば、今回の買収は現在業界内で急速に進んでいるM&Aの波を反映したものだが、インフラ管理の分野ではM&Aの動きが特に活発だという。
「タイミングでいえば、(Candleの)売却にはちょうどいい時期だった」とCrisciは説明する。同氏は、今回のM&Aがソフトウェア業界で「今年最大規模の取引の1つ」となると予想している。
今回のCandle買収は、150億ドル規模のIBMソフトウェアグループが過去1年間に行った一連の買収の中で最新のものとなる。IBMは、3月にサプライチェーンのTrigoを、昨年12月にドキュメント管理のGreen Pasturesをそれぞれ買収している。両社とも、以前はIBMのパートナー企業だった。
IBMでは、今回のCandle買収が2004年第2四半期に完了すると予想している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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