IBMは、今後が期待される柔軟なインフラ実現のためのソフトウェア市場で優位に立つべく、JavaベースのサーバソフトウェアであるWebSphereの強化を計画している。
同社が米国時間27日にCNET News.comに語ったところによると、同社は今年から来年にかけて、サーバベースのメッセージングソフトウェアであるWebSphereを強化し、ウェブサービスをはじめとする各種の業界標準をサポートするという。コンピューティングシステムをさらに柔軟かつ経済的なものにするツールを顧客に提供するのがIBMの目標だと、同社幹部は語った。
メッセージングソフトウェアは、社内にある複数のシステムを接続する配線的役割を果たし、メインフレームや事業所内で使うウェブベースの営業ソフトウェアといった、異なるアプリケーション間でデータやトランザクションをやりとりできるようにする。アナリストによると、メッセージング用のミドルウェアは古くから存在していたが、ここ数年はいわゆるエンタープライズサービスバス(ESB)対応を謳う複数の企業が、標準をベースにした、一般的に独自製品よりも低コストのメッセージングソフトウェアを投入しているという。IBMが初めて自社のESB対応計画を明らかにしたのは昨年のことだった。
IBMのWebSphereインフラ担当ディレクター、Bob Sutorによると、同社はJavaメッセージング標準ベースの簡易版メッセージング製品であるServices Integration BusというESBを今年中に発売するという。同氏はまた、IBMが今年後半にも、ウェブサービスのほか、既に利用されているメッセージングシステムもサポートする強化版ESBを発売すると語った。同社の目標は、複数の異なる通信手法を変換できる統合ソフトウェアを作り出すことだ。
「我々は、これまで可能だったすべてのエンタープライズメッセージングも統合し、新しい標準にも対応する製品を目指している」(Sutor)
Sutorによると、ウェブサービスの仕様が進化するなかで、IBMは今後も自社ESB製品の補強を進めていくという。たとえば、同社のウェブポータルソフトウェアは、ウェブポータル標準経由でメッセージングインフラと直接通信できるようになるという。
IBMのESBは、企業のワークフロー自動化を行うBusiness Process Execution Language仕様をサポートすることになる。これは各種のワイヤレスネットワーク・プロトコルにも対応するようになると、Sutorは説明した。
「これをサービス指向アーキテクチャの核心技術として捉えていることから、我々は自社製品を徐々に補強していくことになる」(Sutor)
IBMのESBに関する計画は、同社のWebSphereアプリケーションサーバにも波及していく。Sutorによると、今年後半登場予定のWebSphere Application Server 6では、ウェブサービスベースのメッセージングインフラへの対応が改善されるという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向け に編集したものです。
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