ニューヨーク州立大学バッファロー校は、病気の基本メカニズム解明に利用するために、IBMから266台のブレードサーバを購入。同大学では今後このシステムを、50倍の規模に拡大していく計画だという。
このIBMのシステムは、1秒間に約1兆2000億回の演算を処理できると、ニューヨーク州立大学Center of Excellence in Bioinformaticsのディレクター、Jeffrey Skolnickは述べている。Skolnickはシステムの価格は明らかにしなかった。
「私の目標は、今後2〜3年で2万5000プロセッサを持つシステムにすること。それが次のステップで、最終的にははるかに大規模なクラスタになる」と、Skolnickは25日(米国時間)に行われたインタビューのなかで述べている。
IBMのBladeCenterの筐体には、デュアルプロセッサのブレードサーバが最大14基搭載できる。同大学では2.8GHz Xeonプロセッサと1GBのメモリ、Red Hat Enterprise Linuxバージョン2.1で構成されたHS20ブレードを採用している。また同大学では、容量5テラバイトのIBM FastT700ストレージシステムも使用していると、IBMは説明している。
現在人気が高まりつつあるブレードサーバだが、入出力部分の性能ではスタンドアローン型のサーバにまだ及ばない。IBMのブレードはバックプレーン接続で通信しているが、秒速1ギガビットのイーサネットでしか通信できない。一方、独自の通信機器を備えたスタンドアローンのサーバでは、InfiniBandなどの高速通信技術を活用できる。
しかしバッファロー校のプロジェクトなど、多くのタスクでは、異なるコンピューティングノード間で大量の通信を行なう必要がないため、イーサネット通信で十分だと、Skolnickはいう。
Skolnickによると、このIBMシステムは、デュアルプロセッサ搭載サーバ2000台で構成するDellのシステムを補うものとなるという。ちなみに、同氏はDellとの関係に満足していない。
「非常に大規模なシステムであり、うまく行かないことがあるのも仕方がないと思う。しかし、Dellはきちんと対応せず、なかなか問題箇所を修正してくれなかった」とSkolnickは述べている。さらに、Dellは「クラスタの規模を拡張することには特に関心がないよう」で、当初2002年11月に納品予定だった数多くのブレードサーバをきちんと納入しなかったという。
Dellの広報担当Wendy Gieverによると、Dellはこれまで同大学にスーパーコンピュータシを3基納入しており、Skolnickのシステムはそのうちの1基だったという。他の2基の顧客--そのうち1基は、世界最速スーパーコンピュータの上位500リストで、38位に挙がっている--では、2年間にサーバが故障したのはわずか2回だったと、Gieverは述べている。
「Jeffが満足していないとは残念なことだ。そんなことにはならないと願っていたのだが。我々は最良の経験を顧客に提供するよう一生懸命やっている」(Giever)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向け に編集したものです。
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