ソルトレイクシティ発--サーバやデスクトップコンピュータ用のLinuxを販売するNovellが、携帯電話や自動販売機などのデバイスで利用される組み込みコンピュータ市場への進出を検討している。
同社バイスプレジデントのChris Stoneは、当地で開催された「Novell BrainShare 2004」でのインタビューのなかで、同社が検討中の選択肢として、独自技術の開発、ほかの組み込み用Linux企業との提携、あるいは他企業の買収を挙げた。「現在これらについて分析を進めているところだ」とStoneは述べ、さらに「Linuxには非常に大きなチャンスがある」と付け加えた。
Stoneによると、Novellは組み込み用Linux市場参入への最良のアプローチを慎重に検討しているという。同社の狙うターゲットとしては、例えば通常のコンピュータに近いディスプレイ付きのデバイス、もしくは多くの場合ディスプレイを持たない生産現場でのロボットのような「リアルタイム」デバイスなどが考えられる。
今年2月、Linuxディストリビュータ最大手のRed Hatは、組み込み用OS業界大手のWind River Systemsと提携し、同市場への参入を狙っている。また、この分野における比較的小規模な企業のなかには、MontaVista Software、TimeSyS、FSMLabs、Applied Data Systemsがある。
NovellがLinux市場でどれほど大きな野心を抱いているかは、同社が今後どのような動きにでるかによって明らかになるだろう。同社は2003年のXimian買収と、今年1月に完了したSuSE Linuxの買収により、Linux市場への進出を果たした。
Novellは長年、NetWareという別のOSを販売していたが、この製品がMicrosoft Windowsに敗北を喫して以来、除々に売上がしぼんでいた。そこで同社は、顧客企業やビジネスパートナーに向けて、今後の代替OSとしてLinuxを打ち出し、ファイル共有や印刷といったNetWareのネットワークサービスをLinuxに移植している。
2004年末までに発売予定のNetWare 7を手始めに、Novellは「Open Enterprise Server」と呼ばれるパッケージに「SuSE Linux Enterprise Server」を同梱していく。また、将来はLinuxとNetWareを必ず一緒に販売するようになると、Novellの最高経営責任者(CEO)Jack Messmanは、当地で行われたインタビューで語っている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向け に編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」