SRAは3月23日、オープンソースデータベース「PostgreSQL」の商用ディストリビューションである「PowerGres」の英語版を米国で発売すると発表した。
SRAでは、2003年4月からPostgreSQLをWindows環境に最適化したデータベース製品「PowerGres on Windows」を代理店などを通じて日本国内で販売してきた。1年間で約1000本を販売し、サポートなどを含めると8000万円の売上を達成した。また、「PowerGres on Linux」や、富士通が提供するミッションクリティカルデータベース「Symfoware」の基盤技術を組み入れた「PowerGres Plus」なども販売している。
日本語版の販売後、同社に対して英語版の販売に関する問い合わせが多く、また、SRAでもPowerGresをオープンソースデータベースのグローバルスタンダード製品として展開したい意向を持ち、英語版の販売に踏み切った格好だ。
PowerGres on Windows英語版の価格は430ドル、年間サポート720ドルに設定し、競合商品となるMySQLよりも低価格での提供となる。来年度は1000本を販売目標としており、サポートなども含め2億円の売上を期待している。同社では、「World WideのRDBシェアの10%が目標」と強気のコメント。3年後には10億円の売上を目指す。PowerGres on Linuxや、PowerGres Plusの英語版製品の投入も予定されているほか、2004年夏以降、ヨーロッパへの市場展開も視野に入れている。
SRA 代表取締役社長 鹿島亨氏 |
同社代表取締役社長の鹿島亨氏は、同社の強みを「ソフトウェア開発で培った技術力と、37年間の営業で得たビジネス顧客」と説明。ターボリナックスの売却についても言及し、「OSやハードウェアはすでにコモディティ化が進んでおり、利益を得るためには大量に商品をさばく必要があった。SRAという会社は右から左に商品を大量にさばくということは不得意としている企業。SRAの持つ強みを生かすためには、ミドルウェアやアプリケーションといった開発に選択と集中をしていくことにした」と語る。
また、「ターボリナックスが徐々にサーバOSからデスクトップOSへと注力するようになり、SRAの持つビジネス顧客層とのシナジー効果が薄れていった」とし、「100%親会社だったことが『ターボリナックスの親会社であるSRA』というイメージを強くしてしまい、身動きがとりにくくなった」という。
4月1日からは、社内カンパニーとしてオープンソース関連の部署を設立。鹿島氏は、「このカンパニーは収支に対して責任を負うもの」と説明する。2004年3月期には35億円の売上を予定しており、2005年には65億円、2006年には100億円の売上を目指す。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス