日立製作所の中央研究所は、セキュリティに優れたPtoP方式の情報共有技術を開発した。同社が3月22日に明らかにしたもの。同技術について、同社は「PtoP通信の課題である安全性の問題を解消し、高いセキュリティのもとでファイル共有、インスタントメッセージング(IM)、音声通話などを実現する通信事業者/企業向けの情報共有システム」と説明する。
PtoP方式の通信は、ファイル交換時に端末がサーバを介さずやり取りするので、ファイルサーバへのアクセス集中によるネットワーク回線や処理能力のボトルネックを解消できる。しかし、端末が自由にデータを送受信するため、データの機密性低下の問題や、違法な用途に使われる危険性があるという。
同社が開発した情報共有技術は、中央管理サーバが端末間の通信を制御することで、高度なユーザー管理機能および情報セキュリティ機能を実現し、PtoP通信でもセキュリティを確保する。具体的には、中央管理サーバが、ユーザー認証、ファイルアクセス制御、ファイルデータや通信の暗号化、ユーザー操作のログ記録などを行う。
また、通信帯域や処理能力に制約のある携帯端末でも大容量ファイルをPtoP通信でやり取りできるようにするため、ゲートウェイサーバが通信を代行し、携帯端末からのデジタル画像参照などを可能とする機能も備える。リアルタイム通信用のセッション制御プロトコルSIP/SIMPLEを採用しており、IMや音声通話などのリアルタイムコミュニケーション機能の利用も可能。
「今後ますますブロードバンド化とデータ大容量化が進むユビキタス社会において、安全かつ拡張性のある情報共有システムを実現する際の核となる技術」(同社)
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