VA Linux Systems Japan(VAリナックス、上田哲也社長)は3月17日、Linux市場の拡大を受け、エンタープライズOS事業ユニットの中核業務であるLinuxカーネルのトータルサポートおよびコンサルティングサービスの事業体制を強化することを発表した。
同社ではこれまで、Linuxカーネルのさまざまなレベル(スケジューラ、VM、ファイルシステム、TCP/IPなど)から、分析・機能強化・性能改善に取り組んでおり、とくにエンタープライズシステム向けのサポートと開発コンサルティングに注力してきた。
代表的な開発事項としては、Linuxの「NFS(Network File System)」実装において、Linuxカーネル内部処理のムダを削減する「Zerocopy NFS」を中心とした機能追加・改良を行ったほか、メモリのhotplugを実現する機能の開発に取り組み、メモリの取り外しを適切に処理する「hotremoval」などを公開した。また、Linuxカーネルのさまざまな障害解析、性能改善などによって、顧客に最適なカーネルのサービスを提供している。
今回、これらの実績を踏まえ、「Linuxカーネルトータルサポート/コンサルティングサービス」の体制強化を図り、これまで特定の大手企業向けに優先的に提供していた類似のサービスを、より汎用的なサービスとして拡大する。
サービスの内容は、顧客システムの目的に合わせたLinuxカーネル分析による改良点の提案および、それに基づいた機能強化や性能改善、さらにはミッションクリティカルなシステム設計におけるカーネル視点からのシステム分析やシステム提案、障害解析などで構成されている。
今後、大規模なLinuxシステム導入やLinuxベースでのエンタープライズ向け、および特殊用途向け製品の開発を行っている企業、政府機関などに向けて積極的にアプローチし、同サービスの受注拡大を図っていく方針。
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