企業によるオープンソースソフトウェア利用を推進する主要グループのひとつ、Open Source Development Labsが、Linuxの企業アプリケーションでのLinux利用に関する標準を発表した。
OSDLは5日(米国時間)、Data Center Linux (DCL) Technical Capabilitiesバージョン1.0という名称のこの文書の目的は、企業データセンターでのオープンソースOS Linuxの利用に関するガイドラインを確立することにあると語った。同グループは、この標準が出されたことで、大規模なIT関連の取り組みへのLinux採用に弾みがつくことを期待している。この企業向けのLinuxの青写真は、多数のOSDLメンバー企業から寄せられた意見をまとめた結果である。なお、同団体にはIBM、Hewlett-Packard(HP)、Dell、Sun Microsystems、Red HatなどのIT企業が参加している。
この文書では、Linuxの利用に関する約300項目にケイパビリティが定義されている。OSDLはこれらの項目をいくつかのカテゴリー--スケーラビリティ、性能、信頼性/有効性/スケーラビリティ、マネジャビリティ(管理用異性)、クラスタ、標準、セキュリティ、ユーザビリティなどに分類している。OSDLは、各Linuxディストリビュータや企業ユーザー、Linux OSの心臓部であるカーネル開発者向けのリファレンス作成に利用されるガイドラインをベースに、DCL要件定義文書を作成する予定だという。
OSDLは、「Linuxのケイパビリティを明確化し、ハイエンドのオンライントランザクションの処理や、意思決定の支援など、要求度の高いエンタプライズクラスのアプリケーションをサポートするために企業がLinuxに求めるものは何かを基準に、優先順位付けをする」と、DCL Working Groupの会長Steve Gearyは声明で述べている。
Gearyは、HPのLinux Engineering担当のディレクターでもあるが、OSDLはデータセンター要件定義文書を書き上げる前に、この規格に対するフィードバックを集めたいと語った。OSDLは、DCL Technical Capabilitiesガイドラインを同グループのウェブサイト上で公開している。
Linuxカーネルのテスト及び開発に加えて、OSDLの研究室では、企業に照準を合わせたLinuxアプリケーションの開発を目標とした、数多くのプロジェクトも進めている。このなかには、例えばデータベースソフトウェアや、通信業界のための専用バージョンなどもある。OSDLはまた、Linuxの生みの親であるLinus Torvaldsを雇用し、彼のために弁護士も提供している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス