苦戦するNECのVALUMO、自律コンピューティング機能強化で売上増となるか

藤本京子(CNET Japan編集部)2004年03月17日 16時10分
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 NECは17日、同社の提供するミドルウェア製品群VALUMOウェアの自律コンピューティング機能を強化した新製品を発表した。今回発表されたのは、プロビジョニング管理ソフトウェアのWebSAM ProvisioningMasterと、自律運用管理ソフトウェアのWebSAM ASManager。また、WebSAM MCOperationという統合運用管理製品の機能強化も同時に発表している。

 WebSAM ProvisioningMasterは、サーバ、ネットワーク、ストレージ、ソフトウェアなど、システムのあらゆる部分をプロビジョニングし、障害や負荷に応じてリソースを自動的に割り当てるというもの。WebSAM ASManagerは、システムの状態を分析・診断し、性能低下の未然検知や障害原因を特定できるという。機能強化されたWebSAM MCOperationは、過去の障害情報と復旧手順をナレッジデータベースに蓄積し、障害発生時に迅速な復旧処理を行うための運用管理ソフトウェアだが、今回新たにOracleのデータベースなどの障害情報や復旧手順に関するナレッジコンテンツを強化するという。

NECシステムソフトウェア事業本部長 寺尾実氏
 NECシステムソフトウェア事業本部長の寺尾実氏は、WebSAM ProvisioningMasterについて「サーバからアプリケーションまで、すべての分野でトータルにプロビジョニングできるのは業界初」だと主張する。他社のプロビジョニングソフトウェアは、たとえばストレージの分野でプロビジョニングができないなど、トータルなかたちにはなっていないと説明する。

 「より分散化・グリッド化する環境に対応するため、自らを管理・最適化するシステムの実現を目指す」としているNECでは、2004年度も自律コンピューティング機能をさらに強化する予定。プロビジョニング部分ではワークフローの拡充や対象とするハードウェア・ミドルウェアを増やすとしており、自律・統合運用管理では、ナレッジコンテンツの拡充、トレンド分析など分析手法の強化、ポリシーベース運用基盤の強化などを予定しているという。

 今回発表されたWebSAM ProvisioningMasterがサポートするハードウェアは、サーバとストレージに関してはNEC製品のみ。ネットワーク機器についてはCisco Systemsの製品もサポートしている。今後プロビジョニングソフトウェアでサポート対象となるハードウェアやミドルウェアの拡充を図るとしているNECだが、現時点ではNECのハードウェアを利用している顧客に対してのみ販売することになりそうだ。寺尾氏は、多くの企業がマルチベンダー環境で社内システムを構成している以上、サポート対象となるシステムの拡充は必須としながらも、「(NECのプロビジョニングソフトを使ってもらい)その利便性をわかってもらえれば、ハードウェア置き換えの際にNECのハードウェアに置き換えてもらえる可能性もある」と本音をのぞかせた。また、同時に「こういった機能を用意しておかないと、顧客が逃げていくのも事実」だとしている。

 NECでは、自律コンピューティング機能を備えたこの3種のソフトウェアの販売目標を「今後3年間で600システム」としている。なお、同社のソフトウェア事業全体の売上高は約1000億円だが、NEC執行役員の伊久美功一氏によるとVALUMOは「投資した割には苦戦状態」。今年度のVALUMO全体の売上は約100億円程度となる見込みだという。伊久美氏は、VALUMOの売上を「今後2〜3年で3倍程度は伸ばしたい」としている。

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