Microsoftはこれまで、高価な生産性向上ソフトウェア「Office」を無料で政府職員に郵送してきていた。しかし、CNET News.comが入手した情報によると、少なくとも2つの連邦機関では、職員に対し、連邦職員に対する倫理方針に抵触するおそれがあるので、受け取ったソフトウェアを送り返すよう注意を促したという。
Microsoftは昨年のOffice 2003発売以来、小売価格で1部約500ドルもするこの主力商品を、大口顧客の従業員に数万部も無料で提供してきた。今年に入って、この無料提供の対象は政府職員にも拡大されたが、米内務省と米国防総省の倫理担当部局は、この無料提供が規定で認められていない贈与にあたるとして、送られてきたソフトの返却を命じた。
また、陸軍省ではさらに一歩踏み込んで、Microsoft会長Bill Gatesに対し、陸軍職員へのソフトウェア送付を止めるよう要求している。
「我々はあなた方に、陸軍職員への無料ソフトウェアの送付や他の形を取った贈与を、直ちに止めるよう求める」と、同省法務副部長のMatt Reresは、CNET News.comが確認した2月19日付の書簡に記している。「あなた方が無料で提供したソフトウェアによって、我が軍の職員や兵士たちは、本人も気付かぬうちに、遵守を誓った倫理規則や規定に違反してしまう危険に晒されている」
Microsoftがソフトウェア無料配布を始めた背景には、多くの政府がOfficeやWindowsオペレーティングシステム(OS)に代わる選択肢として、オープンソースのソフトウェアに目を向けていることがある。たとえば、英国政府はLinux OSへの移行を検討中であり、韓国、中国、インド政府や米国の地方自治体までもが、オープンソースソフトウェアに関心を示している。
Microsoft関係者によると、ソフトウェアの無料配布は、顧客に新機能を体験してもらうためのものだという「このプログラムの目的は、顧客がソフトウェアの感じを掴み、自らの組織で有効利用する方法を検討できるようにすることだ」と、Microsoft広報担当のKeith Hudsonは説明している。
Officeは生産性向上ソフトウェア市場で90%以上のシェアを占めているが、同社が顧客に、最新バージョンのOfficeにアップグレードするよう説得するのはますます困難になっている。OfficeとWindowsは、Microsoftのほぼ全ての利益の源となっているため、これらの顧客にアップグレードしてもらうことは、同社にとって非常に重要だ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向け に編集したものです。
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