アップルコンピュータは3月9日、1月に米国にて発表されたXserve G5を日本市場に向けて発表した。3月下旬より、Apple Storeおよびアップル製品取り扱い販売店にて販売される。
Power PC G5プロセッサ搭載のXserve G5は64ビットアーキテクチャを採用しており、「現在の64ビットサーバ普及のきざしに合った最適の製品だ」と、アップルコンピュータプロダクトマーケティングXserve担当課長の鯉田潮氏はいう。というのも、同製品は32ビットアプリケーションもネイティブでサポートするため、これまでのアプリケーション資産を無駄にすることなく64ビット環境に移行することができるからだ。「ItaniumやOpteronと比べても、32ビットと64ビットとの互換性においてこれほど完璧なものはない」と鯉田氏はアピールする。
アップルコンピュータプロダクトマーケティングXserve担当課長の鯉田潮氏 |
Power PC G5は、製造テクノロジーとして90ナノプロセスを採用しているという。低消費電力を実現させ、「2GHzのクロックスピードを持つPower PC G5と同程度のプロセッサと比較すると、Itanium 2の1.5GHzモデルの消費電力は89W、Opteronの2GHzモデルは107Wだが、Power PC G5では55Wだ」と鯉田氏。また、熱処理問題に関しても、前面から背面に抜けるエアフローの仕組みと低消費電力プロセッサで解消したという。
Xserve G5には、Mac OS Xserverバージョン10.3 Pantherがプリインストールされている。クライアントライセンスは無制限。鯉田氏は、「WindowsからLinuxへとユーザーの関心が移りつつあるが、その理由のひとつにはライセンスの追加コストもあるのではないか」とし、Xserve G5が安価な製品であることをアピールした。ちなみに他社製品と価格を比較した場合、Xserve G5は2GHzのデュアルプロセッサ搭載で46万9800円、2GHzのOpteronを2基搭載した日本IBMのeServer x325はOSなしの価格が49万8000円、3.2GHzのXeonを2基搭載したデルのPowerEdge 1750はWindows Server 2003の5クライアントライセンスつきで60万3000円となっている。
米国での発表の際、Xserveの販売に対して控えめな態度が見て取れた同社だが、この点について鯉田氏に質問すると、「コンシューマー製品と違って販売数は控えめだが、積極的に販売したい気持ちはある」と述べた。だが、日本でも特に具体的な販売戦略は打ち出していないのが現状で、「これまでの製品と同じ経路で販売していく」という範囲にとどまっている。ただ、同氏は「販売経路に制限を設けるつもりはないし、できればビジネス系に強いパートナーに積極的に販売してもらうよう働きかけていきたい」と付け加えた。
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