IBMは、NotesBuddyという実験的なアプリケーションを使って、メッセージのやりとりにつきまとう混乱を解消したいと考えている。
NotesBuddyは、インスタントメッセージング(IM)と電子メールの境界を取り去ることを狙ったソフトで、IBM社内ではすでに広く使われている。
NotesBuddyでは、IMの会話が電子メールの受信箱に格納され、件名やその他の分類で検索できるようになっている。このアプリケーションはまた、相手側の現在のステータスに応じて、メモの送信をメッセージにするかそれとも電子メールにするかを自動的に判断できる。また、同社の電話システムへのリンクも用意されている。
実際に、NotesBuddyのプロジェクトでは、技術的に孤立しがちなIMが抱える大きな問題を取り去ろうとしている。
IBMのシニアテクニカルスタッフメンバーで、人間とコンピュータとの対話に焦点を当てた研究を進めるAlan Tannenbaumは、人気の高いバージョンのIMでは「業務文書との連携を考えたものはない」と述べている。
NotesBuddyは、IMの統合をさらに進め、業務の役に立つものとするための方向性を示している。ビジネスツールとしてのIMの利用が進む中で、IMと他のソフトウェアとを一体化することがますます緊急の課題となっている。Tannenbaumによると、IBMだけでも31万5000人の社員が在籍し、そのうち28万人はふだんからIMを利用しているという。また、同社のIMネットワークは、どの時間にも社員の半分近い約14万人のユーザーが利用している。
IBMにはNotesBuddyを単独アプリケーションとしてリリースする計画はないが、その機能の一部はすでに同社のLotus製品に統合されており、他の製品への統合も進んでいるという。
IDCのアナリストRobert Mahowaldは、「これら2つ(電子メールとメッセージング)をリンクさせるのは大いに理にかなっている。今後3〜4年は、スタンドアロンのIMクライアントは登場しないと思う」と述べている。
他社のアプリケーションでは、IMの統合がすでに進められている。昨年Yahooは、ウェブベースの会議システムを開発するWebExとの間で、Yahoo Messenger Enterprise EditionのユーザーがIMセッション中にウェブ会議を立ち上げられるようにするための提携を結んだ。Microsoftも同様に、PlaceWareから取得したLiveMeetingビデオカンファレンスサービスにメッセージング機能を統合し、インスタントメッセージングと自社のOfficeソフトウェアを統合できるLive Communications Serverというソフトウェアを発売した。アナリストらは、こうした統合は今後も確実に続くと述べている。
「顧客は、作業しているアプリケーションと、IMが連動してほしいと考えている」(Mahowald)
この記事は海外CNET Networks発の ニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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