Microsoftは米国時間2月27日、海外市場での自社ソフトウェアの価格を柔軟に設定できる方法について、検討を進めていることを示唆した。
同社は数年前から、米国内であれブラジルなどの外国であれ、ソフトウェアの販売価格を統一した、単一価格設定システムに執着してきた。しかし、各国で政府や国民全体がLinuxを低価格の代替製品として模索し始めており、この価格体系に対する圧力が高まっていた。
Microsoftのゼネラルマネジャー、Martin Taylorは、27日に行われたアナリストとの電話会議の中で、同社が外国政府の懸念に対応すべく、数カ月以内に新たなオプションを発表する計画があることを明らかにした。Taylorは、Microsoftには各国の物価を反映して、製品の価格を調整する必要があるかもしれないと示唆。同氏はこのための指標を「ビッグマック」インデックスと呼んだ。
「ニューヨークとインド、そして台北とでビッグマックの値段を比較し、値段の比率をソフトウェアに適用したらどうなるだろう? これは非常に難しい問題だ。各国の消費者や有権者に手の届く価格でソフトウェアを提供できるよう、各国政府と協力しなくてはならないことは我々も認識している」(Taylor)
TaylorはMicrosoftが具体的にどのような行動をとるのかについては明かさなかったが、「我々が開始に向けて検討している構想はいくつかあり、2〜3カ月以内には発表を行う」と明言した。
Microsoftは既に多数の外国政府に対して譲歩している。同社はさらに、タイ政府に対して、低価格PC所有プログラムを通じて国民への販売が可能な、WindowsおよびOfficeソフトウェアの割引バージョンも提供している。この場合、Microsoftはエントリーレベル版のWindowsを別途開発しており、表向きは単一価格設定システムからの逸脱になっていない。
同様に、Intelでも開発途上国向けの低価格の製品ラインの投入を真剣に熟慮しているところだ。また、中国市場でのシェア獲得のために、AMDではDuronチップを復活させている。
政府でのMicrosoft製品の利用に関しては、同社はこのところ価格やライセンス条件でますます柔軟な姿勢を見せるようになっているという。たとえば、英国政府は先頃発表した報告のなかで、Linuxへ移行すると圧力を掛け、数百万ドルもコストを節約したことを明らかにしている。
この記事は海外CNET Networks発の ニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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