YahooやGoogleに張り合おうとMicrosoftが進めていた検索関連広告技術の開発でプロジェクトの責任者を務めていた幹部が、就任から4カ月も経たずにひっそりと同社を辞めていたことが、CNET News.comが入手した情報から明らかになった。
Overture Servicesの元最高技術責任者(CTO)だったPaul Ryanは、昨年10月20日付けでMSNで働きはじめた。これはYahooによる総額16.3億ドルのOverture買収が完了してからわずか数週間後のことだった。Microsoftの話では、Ryanが「MSN検索からの収益実現(“the monetization of MSN Search”)」を担当するゼネラルマネージャーに就任したことは、ナンバー1の検索サイトであるGoogleに匹敵し、現在の商用検索パートナーのOvertureに置き替われるような強力なシステムの構築を目指す同社の取り組みのなかで、画期的な出来事と見られていたという。
Crystal DuncanというMicrosoftの広報担当者は、2月12日付けでRyanが退職したことを認めた。同氏は彼の退社について具体的には何もコメントしなかったものの、Microsoftは積極的に代わりとなる候補者選びを進めていると付け加えた。MSN Search and ShoppingのバイスプレジデントでMicrosoftの検索技術推進チームのメンバーでもあるChristopher Payneが、暫定的にRyanの職務を引き継いでいる。
「いつも通りだ。彼の退社で、検索技術への取り組みに力をいれる会社全体の姿勢が変わるということはない」(Payne)
Microsoftは、ものすごい勢いで検索帝国づくりを進め、Googleが実現した技術革新を越えようとしている。同社では、ウェブ、Microsoft Wordや電子メールのようなデスクトップアプリケーション、そしてオペレーティングシステムの間で区別なく検索を行えるようシステムの開発に多大な投資を行ってきている。この技術の多くは、次期Windows OS「Longhorn」で登場することになっている。
Microsoftはまた、独自の広告入札システムを構築する計画も明らかにしている。これは、現在Overtureがパートナーとして提供している検索関連広告用のシステムに置き換わるもの。Overtureのテキスト広告は、昨年第4四半期にMSNを黒字に押し上げた原動力の1つだった。Microsoftは、Overtureから有料の広告表示に関するライセンス供与を受けており、この契約は米国および英国のMSN Networkを対象に2005年6月まで継続する。
MSNは、「MSNbot」 と呼ぶウェブクローラーも社内で開発したが、これはウェブ上を巡回して各ページのインデックスを作成し、強力な検索エンジンをつくり出すよう設計されている。同社はまた、検索可能なオンラインニュースのインデックス提供サービスも数カ国で開始しており、またブラウザのメニューから直接検索を行えるツールバーもリリースしている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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