マイクロソフトの研究機関が新検索技術を開発中

 米Microsoftの研究機関であるMicrosoft Research(MSR)では、新しいタイプの検索技術やユーザーインターフェース技術の開発に取り組んでいる。ユーザーが自分のコンピュータ内にあるデータや、インターネットに蓄積された膨大なデータを活用できるようにするための技術だ。

 例えばプロトタイプのアプリケーション「Stuff I've Seen」は、特定のパソコンモニタに表示される1年分の画面をすべて記録する。別のプロトタイプ「Ask MSR」では、「Saddam Husseinはどこにいる?」といったように、自然な文章で質問ができる。やがて、こうした新しい検索技術は、デスクトップパソコン向けソフトのスペルチェッカーのように、ごく一般的な機能になるという。

 Microsoft Researchのシニア・バイス・プレジデントであるRick Rashidは、「まず写真編集などのアプリケーションで、さまざまな検索ツールが登場してくる」と語る。「長期的には、(検索機能は)ワープロなどのアプリケーションと同じように、これまで以上に中心的な機能になっていく」(Rashid)

 なおMicrosoftは、検索技術の開発について投資額を増やしていくという計画を明らかにしている。検索技術の分野では遅れをとっている同社だが、この計画では主に、Overture Servicesが提供するような有料ウェブ検索の開発を目指しているという。今後は、企業/技術の買収やR&Dに資金を使い、企業向けの検索アプリケーションなどを開発していくようだ。

 検索ツールはすでに数多く存在するが、Microsoftの研究では主に、データ同士の関連性について自由度を広げ、また検索手法についてもその範囲を広げるということを目指している。

 例えばパソコン内にあるデータの大部分は、階層構造で保存されている。画像ファイルや文書ファイルには名前が付けられ、ある1つのフォルダに格納されている。ユーザーがこれらを探す場合、記憶を辿りながら関連する言葉を思い浮かべなければならない。ウェブサイトの検索エンジンと同じ方法である。「しかしこれは人間の思考とは異なる」とRashidは説明する。「例えば、ユーザーが、オーストラリアで過ごしたバケーションの写真を検索したい場合、ユーザーが、パソコンに求めるのは、『海が背景の写真、家族のみんなが写っている写真を取り出してほしい』」ということだろう」(Rashid)。同氏によれば、これからはそうした情報をもとに、アプリケーション内の検索エンジンが画像内を綿密に調べて、条件にあったものを見つけ出すようになるという。

 「ファイルの階層構造での問題点は、すべてのファイルはいずれか1つの場所に分類されるという着想にある。しかし、実際、1つのフォルダのみに適合するファイルは存在しないといってよい。階層構造は非常に扱いにくくなってきているのだ」(Rashid)

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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