ニューヨーク発--IBMは米国時間23日、先頃実施した調査結果の詳細を明らかにした。この調査によると、企業の最高経営責任者(CEO)の優先順位は、コスト削減から売上の増加へと変化しているという。
グローバルな大企業を率いる約450人のCEOもしくは事業部門責任者に対して行った対面調査の結果によると、新たな売上の成長を促すために今年新しい事業への投資を行うことに関して、企業各社は抵抗を感じていないという。
Global CEO Study 2004と呼ばれるこの調査は、IBMのBusiness Consulting Servicesが昨年実施したもので、売上高5億ドル以上のグローバル企業を対象としている。IBMの幹部は、23日にニューヨークで開かれた記者発表会で、この調査結果を明らかにした。
自社の財務強化策について尋ねられた各社のCEOは、コスト削減よりも売上の成長が優先すると回答した。なお、前年(2003年)の調査では、ほとんどの回答者が既存事業のコストを切り詰めて不況を乗り切ることのほうを重視しており、IBMでは企業内での優先順位の変化が窺われると述べている。
しかしながら、欧州や日本の企業幹部はコスト削減と売上増加を同程度重視していることも、今回の調査から判明した。
IBM幹部によると、この調査結果は、テクノロジーや関連サービスへの企業支出が増加しているという同社の主張を裏付けるものだという。同社幹部は、1月に行った第4四半期の決算報告の際に、現在の投資環境についての上向きの評価を示していた。
こうした強気な見通しにも関わらず、IBMの調査に答えた各社の幹部は警鐘を鳴らしている。大多数の企業経営者は、変化に対応するための充分なスキルが自らに備わっておらず、そのため新たなチャンスをつかめるよう自社のビジネスのやり方を変えることができない、と答えている。
ビジネス環境の変化への対応が「何とかできる」と答えたCEOは回答者全体の80%を占めたが、一方自社には対応する力がないと感じている経営者も7%いた。
「CEOは概して、自社が変化に素早く対応できるとは考えていない。大部分の経営者が、自社には限られた能力しかなく、スキルが不足していると感じている」と、IBMビジネスコンサルティング部門のシニアパートナーEric Pelanderは説明している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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