ハリウッドの支援を受けている技術団体、DVD CCA(DVD Copy Control Association)は13日(米国時間)、DVD複製ソフトウェアメーカーの321 Studiosが同団体のDVDコピー防止技術の特許権を侵害したとして、同社を提訴した。
321 Studiosは最も人気の高いDVD複製ソフトを販売しており、同社に対する訴訟は今回で4件目となる。同社は以前、カリフォルニアとニューヨークの2州で、ハリウッドの映画会社連合とコピー防止技術企業のMacrovisionから提訴されていた。
DVD CCA は最近、DVDをコピーする過程で使用されるコードをインターネット上に掲載した個人ユーザーに対する訴訟を取り下げた。同団体は訴訟取り下げの決断後、今後は別の手段を使って知的財産権を守っていくと語った。
DVD CCAの弁護士、Steven Reissは声明の中で、「DVD CCAは今回の法的措置において、CSS(Content Scrambling System)によって保護されている映画の著作権に対する侵害行為の蔓延を助長する製品を製造し、広く販売している個人もしくは企業に対する取り組みに重点を移した」と述べ、さらに「DVD CCAとしては、これらの違法製品の大量販売を阻止することこそ、市場が変化する中で窃盗や悪用から知的財産を守るための、最重要かつ最も効果的な手段と考えている」と語った。
DVDコピー防止技術をめぐる攻防は、4年前にノルウェー人のティーンエイジャーが、大半の市販DVDに組み込まれているコピー防止技術であるCSSをコンピュータを使って破るためのコードをインターネット上で公開して以来、波乱の展開を見せてきた。
DeCSSと呼ばれるそのコードは、ネット上で急速に広がったため、ハリウッドの映画会社はウェブ製作会社に対し、同コードを掲載しないよう求める訴訟を提起した。CSS技術の著作権を保有するDVD CCAも企業秘密の侵害を理由にウェブサイト運営者を提訴した。
ハリウッドの映画会社は、オンラインハッカーマガジン「2600」の発行者Eric Corleyに対する訴訟で勝訴判決を勝ち取った。同裁判で、Corleyは自ら管理するサイトへのDeCSSコードの掲載はおろか、リンクを張ることすら禁じられた。
一方DVD CCAは映画会社のようにうまくは行かなかった。最終的に管轄権についての重要な判決で敗北し、企業秘密の侵害という自らの主張についてもその妥当性をカリフォルニア最高裁に疑われたDVD CCAは、この問題についての最終的な検証が行われる前に同訴訟を取り下げた。
ニューヨークの連邦裁に提出された訴えのなかでDVD CCAは、321 Studioの複製用ソフトは、CSS技術まで許可なくコピーしてしまい、それが特許権の侵害にあたると主張している。
これに対し、321側のある幹部は、同社ではまだこの訴訟について知らされておらず、すぐにコメントをすることはできないと語った。また、これとは別に、同社はこの日Macrovisionが同社に対して起こしていた訴訟への回答を提出し、Macrovisionが主張している特許権侵害は無効だと訴えた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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