サンフランシスコで、チップが熱い--今週2つの会議が開催に

Michael Kanellos(CNET News.com)2004年02月16日 13時03分

 今週はチップ設計者がカリフォルニア州サンフランシスコに一堂に会し、新タイプのフラッシュメモリや視覚障害者への対応に関する意見交換が行われる。

 半導体研究会議として最も古い歴史を誇るInternational Solid State Circuits Conferenceと、毎年2回開催されるIntel Developer Forumの両会議は、どちらも2月15日の週にほぼ同じ場所で開催される。

 これら2つのイベントの議題と参加者は重複する部分もあるが、両カンファレンスには明確な違いも多少ある。ISSCCでは、5年以内に市場に登場すると予想される通信、マイクロプロセッサ、メモリ、不揮発性メモリ、およびワイヤレスシステムをはじめとする、半導体業界全般にわたる最先端のチップデザインの概念に関する研究論文を、大企業や学会の研究者が発表する。

 2月15日から19日まで開催される同会議で注目に値する論文には次のようなものが含まれる。

  • 17日には、南カリフォルニア州立大学とカリフォルニア大学サンタクルーズ校の研究者が、色素性偽性網膜炎や、老人性黄斑変性とも呼ばれる加齢性黄斑変性の患者を対象にしたシリコン人口網膜の臨床試験について説明を行う。週の後半には東京大学の科学者が「人工皮膚に応用可能な柔軟かつ広範囲をカバーする圧力センサ」の進捗状況を紹介する。
  • MIT、ソニー、Infineonなどの研究者が、堅いシリコン半導体の替わりに低価格の有機物質を使ったフレキシブルスクリーン、RFIDタグ、およびセンサを製造するためのアイデアについて概説する。日本のエプソンは、フラットパネルディスプレイやインクジェットプリンタに搭載されるTFTを考案したときの経緯を紹介する。
  • 多数の大学と通信企業が、マルチモード通信機器の製造と、今日採用されている高価な素材の替わりにシリコンで通信機器を製造する手法の進展について概説する。
  • ナノテクノロジー分野では、東芝が暗号技術用途でのシリコン製ナノワイヤ利用に関するデモを行う。

 一方、IBMは1.5GHz以上の速度で動作するPower5サーバ用チップと、Apple Computerの現行マシンに搭載されたチップの高速版である2.5GHzのPowerPCプロセッサの詳細を明らかにする。IntelとSun Microsystemsも、今後数年のプロセッサロードマップについて説明を行う。

 この会議で紹介される論文の多くは、素人にはわけのわからないものに聞こえてしまう。だが、今年51回めを迎えるこの会議で発表された技術のなかには、画期的なものも多数存在する。たとえば、ベル研究所によるデジタルシグナルプロセッサ(DSP:1980年)、UCバークレーとスタンフォード両大学によるRISCチップ(1984年)、100MHzのプロセッサ(1991年:Intel)、そして1GHzのプロセッサ(2000年:DEC、Intel)などは、みなこの会議ではじめて論文が発表されたものだ。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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