高速バス技術HyperTransportを推進する業界団体HyperTransport Technology Consortiumは9日(米国時間)、同技術の新しい仕様を発表する。同技術を使った製品が年末に発売されると見られ、来年はパソコンや通信機器の大幅な性能向上が期待される。
HyperTransport Technology Consortiumのゼネラルマネジャー、Mario Cavalliによると、HyperTransport 2.0がコンピュータチップに導入されると、最大で毎秒22.4ギガバイトのデータ転送が可能になるという。HyperTransport規格には3バージョンがあり、各バージョンの動作クロックは最も遅いバージョンが1ギガヘルツ(GHz)で最速は1.4ギガヘルツ(最速の場合、よりまとまった量のデータ伝送が可能)という。
同規格のこれまでの最新版では、最大データ転送速度および最大動作クロックはそれぞれ、12.8ギガバイト、800メガヘルツだった。
コンピュータ内部の各コンポーネント間の接続については、現在見直しが行われている。プロセッサの性能については定期的かつ着実な改善が見られるが、データ転送速度は各コンポーネント間の互換性の問題がネックとなり、向上させるのははるかに難しい。そのため、データ転送速度は数年に1度しか向上していないというのが実情だ。
例えば、今年第2四半期には相互接続規格PCI Expressをサポートするパソコンが発売される。PCI Expressは当初、AGPに代わりプロセッサとグラフィックチップを接続するが、現在PCIによって接続されているプロセッサとUSBポート間の接続、さらにプロセッサとメインメモリ間の接続にもPCI Express規格が利用されるようになる。また、これらのシステムにはDDR 2規格ベースのメモリも搭載される。
HyperTransport技術は、すでにMicrosoftの家庭用ゲーム機XboxやAMDのOpteronおよびAthlon 64プロセッサを搭載するパソコンで使用されている。Opteronサーバでは、HyperTransport技術によって、異なるプロセッサ同士およびプロセッサとUSBポートやその他の周辺機器のコネクタとが接続されている。
Cavalliによると、HyperTransport 2.0規格では、導入を促進するためにPCI Expressもサポートするという。すなわち、PCI Express対応パーツでもHyperTransport技術を使用できる。HyperTransportとPCI Expressは必ずしも直接競合するわけではないが、どちらも全く同じ機能に使用可能。またHyperTransport 2.0規格は下位互換性も備える。
HyperTransport 2.0規格を採用した製品の発売時期については、Cavalliはコメントしなかったが、情報筋の話では、発売開始は年末頃となりそうだという。
同コンソーシアムのメンバー企業は同規格を無償で利用できるが、コンソーシアムへの参加の度合いに応じて5000〜4万ドルの年会費の支払いが必要となっている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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