サンディエゴ発--Oracle最高経営責任者(CEO)、Larry Ellisonは米国時間28日、必要なソフトはすべて自社製品で、という純粋主義的な姿勢を和らげ、企業がOracleの製品と、Siebel SystemsやSAPといった競合の製品を組み合わせて使ってもまったく問題ないと述べ、それどころか自社から力を貸しさえすると語った。
当地で開催されたOracleのAppsWorld Conferenceの基調講演では、同氏は専らカンファレンスの中心テーマであるソフトウェアの相互運用性を取り上げた。もともと連携を考慮して設計されていないアプリケーションを組み合わせて使うことに、これまで反対してきた同氏にとって、これも大きな変化の印といえる。
「Siebelのセールス自動化ソフトを、そのまま使い続けたいというのなら、そうすればいい」(Ellison)
Ellisonは壇上で多くの時間を費やし、OracleのCustomer Data Hub製品を売り込んだ。この新しいプログラムは、多数のビジネスシステムからデータを取り出したり、顧客に関する最新情報を提供できるように設計されている。同氏はこの製品を、世界中の銀行や小売業者が利用しているグローバルな消費者信用データベースと比較した。Ellisonによると、さまざまな企業のコンピュータから更新されたデータを一瞬で取り出す同システムは、大量の驚くほど詳細なデータを保存できるという。また、このシステムは24時間利用できるようになっている。「与信データハブのモデルは、我々がCustomer Data Hubで採用したものとまさしく同じものだ」と、Ellisonは述べた。
Customer Data Hubは、単一のアプリケーションスイート製品(できればOracle製品)でしか達成できないと、同社が常々主張してきた効率性を得るための、もう一つの方法だと、Ellisonは述べた。
「我々の本来の夢は、1ビットも変わっていない。我々はいまでも、情報化時代の最大の問題である、データフラグメンテーションの解決に取り組んでいる」(Ellison)
Ellisonは、聴衆との質疑応答で、このようなデータハブの構築にあたり、最大の課題の1つはデータの完全性を保証することだと認めた。古いデータが蓄積されたり、データが重複したり不正確であったりする、いわゆるデータの品質問題は、多くの企業が克服すべき大きなハードルだ。Ellisonによれば、Oracleは企業が不要なデータをより分ける際に役立つ、データライブラリアンというツールを提供する、と同氏は述べた。
ライバルのPeopleSoft買収について尋ねられた同氏だが、特に何も話さなかった。「この件に関しては司法省に聞いてくれ。私は責任者ではない」(Ellison)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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