ソニー(安藤国威社長兼グループCOO)が1月28日に発表した03年度(04年3月期)第3四半期の連結決算は、売上高が前年同期比0.7%増の2兆3234億円と四半期ベースで過去最高となったものの、営業利益が同20.4%減の1588億円、税引前利益が同21.8%減の1578億円、最終利益は同26.2%減の926億円となった。利益の落ち込みは、リストラにともなう構造改革費用が前年同期に比べて396億円アップの536億円に増えたことが最大の要因。
エレクトロニクス分野では、PDPおよび液晶テレビやDVDレコーダー、パソコンなど重点商品の販売数は増加したものの、ブラウン管テレビの減少や製品単価ダウンなどの影響で売上高は、ほぼ横ばいの前年同期比0.4%増の1兆4747億円となった。重点商品については前年同期比35%増、売上構成比で48%(前年同期は35%)と伸長した。
湯原隆男・執行役常務兼グループCFOは、「国内では、重点商品が全般的に好調だった」と語り、「なかでも、液晶テレビは国内シェア20%を目指しており、年末の最終週で達成することができた」と薄型テレビの好調をアピール。しかし、エレクトロニクス部門の営業利益は退職関連費用など構造改革費用が379億円増加したことで、同39.7%減の495億円にとどまった。
通期業績予想は、売上高が横ばいの7兆4000億円、営業利益が1000億円(前年度比46.1%減)、税引前利益が1300億円(同47.5%減)で100億円上方修正、最終利益も50億円上方修正し550億円(同52.4%減)とする。
通期の構造改革費用の見通しについては、当初見込みの1400億円を、「予想以上に順調に進んでいる」(湯原執行役常務)ことから一部前倒しして、今期は1500億円とする。なお、3000億円を計画する構造改革費用の総額は変更しない。
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