Microsoftは米国時間23日、発展途上国の情報技術/通信改善プロジェクトを支援する国連開発計画(UNDP)との協力を発表した。
この合意に基づいて、MicrosoftはUNDPと協力しながら、途上国にITトレーニング施設を建設し、地域の教育センター確立に重点をおいた取り組みを進める。UNDPの掲げる目標は、IT資源を提供し、HIVやAIDSのような、途上国が抱える問題に取り組むための技術利用を促進することだ。
今回の提携は、先週スイスのダボスで開催されたWorld Economic Forumで、Microsoft会長のBill GatesとUNDP総裁のMark Malloch Brownによって発表された。この取り組みでは、十分な公共サービスが受けられない地域で、コンピュータ技能や職業技能のトレーニングを行うことを目標とする、Microsoftの「Unlimited Potentialプログラム」の力を借りるという。Microsoftでは1983年から地域活動プログラムを展開しており、昨年は各種のITスキル向上プログラムに、合わせて2億4690万ドル相当の現金とソフトウェアを寄付したという。
MicrosoftとUNDPによる取り組みは、飢餓と貧困の撲滅、世界中での初等教育実現、子どもの死亡率低下など、世界規模で一連の生活水準を定めた国連の「ミレニアム開発目標」の達成に重点を置いている。
両者はまた、国連のSouthern Africa Capacity Initiative(南部アフリカ行政能力向上活動)を支援する連携計画の詳細も明らかにした。この取り組みは、HIVやAIDSの被害が最も大きい国々でのIT環境改善に重点を置くものだ。国連のAIDS Epidemic Update(エイズ感染最新報告書)によると、2003年にはおよそ300万人がAIDSで死亡しており、そのうちサハラ砂漠以南の国々では200万人を大幅に上回る死者が発生したという。Southern Africa Capacity Initiativeは、これらの国々におけるIT/通信能力、電子政府実現プログラム、ならびに基本サービス提供の発展を目指している。
アフリカの予防接種プログラムに対し、Bill and Melinda Gates Foundationという自身の慈善基金の中から数百万ドルの寄付も行っているGatesは、IT技術を使った人道的プロジェクトの支援に自社がコミットしている点を強調した。
「IT技術は生命、経済、そして社会の変革に役立つ強力なツールだ。我々は、UNDPと緊密に協力しながら、途上国の人々が自らの掲げる目標を実現し、それぞれのコミュニティを強化できるよう、そのための解決策を開発することに真剣に取り組んでいく」(Gates)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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